東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて反落となりました。40円高の28,069円で寄り付いた日経平均は直後に51円高の28,081円まで上昇しましたが、伸び悩むと直ぐにマイナスに転じ9時20分前には335円安の27,693円まで下落しました。その後徐々に下げ幅を縮める展開となった日経平均は162円安の27,866円で前場を終えると後場に入ってさらに持ち直し14時50分に50円安の27,978円まで持ち直しました。しかし、節目の28,000円を前に上値が押さえられると引けにかけて下げ幅を広げ結局102円安の27,927円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、東証マザーズ指数は3.8%安となり年初来安値を更新しています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が8.2%安となり先週末に続いて年初来安値を更新し、日経平均を1銘柄で96円押し下げました。傘下のファンドが投資する中国の配車アプリ最大手のディディ(DIDI)が米国市場での上場を廃止すると発表し先週末の米国市場で急落したうえ、他の中国企業の米預託証券(ADR)にも連想売りが出て出資するアリババ集団(BABA)も大きく下げたことなどで大幅安となりました。また、先週末の米国市場でハイテク株が売られナスダック総合株価指数が2%近い下げとなった流れを受けて半導体関連株の一角が安く、なかでもレーザーテック(6920)が2.6%安となり、SUMCO(3436)も5.2%安となりました。

一方でアパレル大手のワールド(3612)が11月の既存店売上高が前年同月比7.3%増と6ヶ月ぶりに前年を上回ったことで一時3.8%高となり、メガネチェーンのジンズホールディングス(3046)も11月の既存店売上高が前年同月比4.0%増と2ヶ月連続で前年を上回ったことで3.8%高となりました。さらに投資判断と目標株価の引き上げに反応したのが化学メーカーのデンカ(4061)とプリント基板大手の日本シイエムケイ(6958)で、デンカが4.4%高となり、日本シイエムケイも10.3%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は102円安となりました。ハイテク株中心に売りが出て先週末の米国市場が反落となったことで売りが優勢となり先週末に回復した節目の28,000円を割り込みました。買いが先行したものの50円高余りで伸び悩むと直ぐにマイナスに転じ一時は330円以上下落する場面もありました。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者が世界各地で相次いで確認されていることもあってオミクロン株への警戒感は依然として強いといえそうですが、東証1部の騰落レシオが先週末時点で76%と売られ過ぎとなっていたこともあって朝方の売り一巡後は下げ渋りました。こうしたなか今週も「オミクロン株」の情報に神経質な展開が続きそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)