東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は4日ぶりに反発となりました。44円高の27,866円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分余りで247円高の28,069円まで上昇した後上げ幅を縮めるとマイナスに転じ9時20分前に227円安の27,594円まで下落しましたが、持ち直すと再び上げ幅を広げ11時過ぎに284円高の28,106円まで上昇し225円高の28,047円で前場を終えました。
181円高の28,003円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに90円高の27,912円まで上げ幅を縮めた後13時40分に256円高の28,077円まで持ち直しましたが、その後引けにかけて上げ幅を縮めると結局113円高の27,935円で取引を終えています。一方で新興市場は軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。
2.個別銘柄等
レンゴー(3941)が6.3%高となりました。段ボール原紙を2022年2月1日の出荷分からおよそ3年ぶりに1キロ10円以上値上げすると発表したことで収益を改善した買いで大幅高となりました。王子ホールディングス(3861)や日本製紙(3863)もレンゴーの値上げに追随する可能性があることから買われ、王子ホールディングスが4.4%高、日本製紙も3.1%高となっています。
不動産事業を手掛けるダイビル(8806)と港湾運営の宇徳(9358)もストップ高となり、ダイビルは年初来高値を更新しました。商船三井(9104)が事業を多角化し海運業が不況期の際に収益の安定度を高めるためにダイビルを昨日の終値を50.2%上回る1株2,200円で、宇徳を昨日の終値を40.5%上回る1株725円でTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したことから買いを集めました。
また、商船三井も目標株価の引き上げを受けて3.5%高となっています。さらに投資判断と目標株価の引き上げに反応したのがファナック(6954)やトヨタ(7203)で、ファナックが4.5%高となり、トヨタも一時3.6%高となっています。
一方でツルハホールディングス(3391)が11月の既存店売上高が前年同月比で2.3%減となったことで5.5%安となり年初来安値を更新したほか、アスクル(2678)も11月の単体売上高が前年同月比で4.0%減となったことから3.3%安となり年初来安値を更新しています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は113円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均は650ドルを超す下落となりましたが、昨日までの3日間で1,600円以上も下げ、25日移動平均線との乖離率がマイナス5%近くまで開くなど短期的に売られ過ぎとなっていたことで自律反発狙いの買いが優勢となりました。
ただ、一時マイナスとなり220円以上下げる場面があったうえに、伸び悩み引けで節目の28,000円を回復できなかったことなどから新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」に対する警戒感が依然として意識されているといえそうで、不安定な相場展開がしばらくは続きそうです。
なお、日本時間の22時15分には11月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、2日の午前零時には11月の米ISM製造業景況感指数が発表される予定です。また、2日の午前4時には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)