ご存じのとおり、南アフリカでサッカーのワールドカップが行われています。4年に一度、にわかのサッカーファンになる私です!

個人的には今回は開催地そのものにも大変興味をもっています。
サッカー以外では治安の悪さばかりが報道される傾向がありますが、昨年私は現地を訪れ、その豊かな自然と欧州の影響を受けた文化に魅了されました。
南アフリカについてのコラムはこちら>
http://lounge.monex.co.jp/column/money/2009/04/20.html

個人投資家である皆さんも、資源が豊富で、経済成長目覚ましい南アフリカには注目していることでしょう。

南アフリカ(South Africa)は一説にはBRICsの「s」を指すと言われたり、BRICsの次世代として期待されているVISTA (ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンの5カ国の頭文字)の一つとして挙げられたりと、数ある新興国の中でも有望な国と言えます。

一般に新興国は通貨や取引に規制されていることが多いものです。
たとえば、経済力では世界中から最も注目されている中国も株式取引を会員制にして外国人投資家を制限したり、為替レートも米ドルに対する一定の変動幅を設定する管理変動相場制をとっています。(為替レートについては先週末にペッグ制の見直しを示唆する声明を発表し、ついに人民元の切り上げが期待されます。)

そんな中、南アフリカについては、通貨ランドは変動相場制を用い、外国為替市場において自由に活発に取引されています。(欧米のインターバンクでは10年以上前から頻繁に取引を行っています。)
個人投資家にとっては身近なFX取引や債券にも南アフリカランド建てのものは人気がありますよね。

もちろん、他の新興国通貨に比べ流動性があるとはいえ、新興国通貨であることには変わりなく、それはボラティリティの大きさや不安定さを意味します。
南アフリカは金やダイヤモンドの産出で有名な資源国でもあります。そのため南アフリカランドは金価格との連動性が高いのですが、金価格はご存じのとおり大きく変動しますから、為替レートも値動きは大きいです。

また、新興国の常としてインフレ対策としての金利政策があるため、先進諸国に比較して高金利です。(債券やFX取引に人気があるのもそのためです。)新興国の金利については先進諸国のように利上げ=通貨の買いにならず、インフレ懸念=通貨の売りになることもあるので先進国の利上げと同様に見ることはリスクが高く、注意が必要です。

大きな魅力(=リターン)にはそれ相応のリスクがあります。自分自身で許容できる程度のリスクなのか、投資のタイミングはどうなのか、といった点を考えた上で、チャンスがあればしっかりと逃さないようにしていきたいものですね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員