週末、日経新聞に興味深いアンケート結果がありました。
「4月から毎月いくら貯蓄・投資する?」というもの。ご覧になった方も多いことでしょう。

お金に関して、年に一度は棚卸をし、投資資金のリバランスやリアロケーションを行うことをこれまでもおススメしてきました。3月~4月は入学や就職、転勤、それに伴う引越など家族・家計を取り巻く事情が大きく変わる場合も多いですから、このタイミングで見直すということも理にかなっていますよね。
さて、アンケートでは毎月どのくらいの額を貯蓄や投資に回す予定かという質問に対して「1万円以上3万円未満」が全体の35%と一番多い結果となっています。
貯蓄や投資に回す予定はない、と家計の厳しさを反映するような回答が23%と確かに多いものですが、同時に3万円以上(10万円以上を含む)を貯蓄や投資に回そうと考えている方が全体の37%となっています。
この調査はマクロミル社によるインターネット調査で、全国の成人既婚男女618名からの回答とのことです。

金額自体の増減についての回答は「変わらない」が6割強、「増える」と「減る」は拮抗しているようで、つまりは上記の金額に大きな変化は見られないようです。

サラリーマンの平均年収は減る傾向にありますが、そんな中で貯蓄・投資金額があまり変わっていないということになります。でも日本人の貯蓄率はここのところ平均年収の減少とともに減ってきています。

ところでこの貯蓄、総務省統計局では「貯蓄純増」とあります。【「預貯金」と「保険掛金」の合計から「預貯金引出」と「保険取金」の合計を差し引いたもの】とのこと。これに対し「金融資産純増」は【「貯蓄純増」に「有価証券購入」と「有価証券売却」との差を加えたもの】ということですので、このアンケートの「貯蓄や投資」の枠組みはこちらに相当しますね。

とすると、平均年収が下がってきていても、貯蓄・投資のうち「投資」金額は少しでも増やそうとしている方が多くなっているということでしょうか。(アンケート有効回答数が1000に満たないので仮説を立てるのは難しいですが)
長引く超低金利で貯蓄の魅力が薄れている、年金など将来の不安は増大、自分で何とかしなければ、という気持ちを持つ方が増えるのは当然ですよね。
投資のコスト(手数料等)が年々安くなっていること、株式や投資信託への投資の単価が下がっていること、FX取引など手元資金が少なくても投資でき、かつ日中仕事をしていても取引できる24時間体制の金融商品が増えていますから、確実に「個人投資家」の裾野は広がってきているのだと思います。

投資商品で利益を出すのは簡単なことではありませんし、失敗をすることも必ずあると思います。
だからこそ少しずつ時間をかけて理解し、継続して投資をしていくことが長い目で見てプラスになってくると思います。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー