東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。日経平均は46円高の29,840円と小幅に上昇してスタートしましたが、寄り付きを高値に伸び悩むと直ぐにマイナスに転じ下げ幅を広げ11時過ぎに214円安の29,579円まで下落し200円安の29,593円で前場を終えました。

192円安の29,601円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに290円安の29,504円まで下げ幅を広げましたが、節目の29,500円を前に下げ渋ると持ち直し結局182円安の29,611円で取引を終えました。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇となった一方で、日経ジャスダック平均は下落となっています。

2.個別銘柄等

昨日の引け後に第3四半期の決算を発表したSUMCO(3436)が7.0%高となりました。旺盛な半導体需要を背景に主力の直径300ミリメートルの半導体シリコンウエハーの売り上げが好調なことから通期の営業利益が市場予想を上回る505億円になりそうだとした見通しを公表したことで買いを集めました。

また、昨日の引け後に上期決算を発表したフジ・メディア・ホールディングス(4676)も通期の営業利益の見通しを216億円から市場予想を上回る275億円に引き上げたことで5.0%高となったほか、本日の13時に上期決算を発表した日本水産(1332)も通期の営業利益の見通しを200億円から市場予想を上回る245億円に引き上げたことで決算発表直後に上げ幅を広げ4.1%高となっています。

一方で昨日の引け後に上期決算を発表したダイキン工業(6367)が一時5.7%安となりました。換気機能や省エネ性能を売りにした空調の販売が各国市場で増えることから通期の営業利益の見通しを2900億円から3000億円に引き上げましたが、市場予想に届かなかったことで売りが優勢となりました。

本日の13時に上期決算を発表した三井化学(4183)もプラスチック原料の海外市況が想定を上回って推移していることから通期の営業利益の見通しを1390億円から1450億円に上方修正したものの市場予想を下回ったことで決算発表直後に一段安となり5.3%安となっています。さらにソフトバンク(9434)も低価格通信プランの利用者増でコンシューマ事業が振るわなかったことなどから上期の営業利益が前年同期比で3.2%減となったことで4.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は182円安となりました。昨日の米国市場が高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいなかで米雇用統計の発表という重要イベントを控え様子見となり売りが優勢となりました。その米雇用統計は日本時間の21時30分に発表されますが、米連邦公開市場委員会(FOMC)に続いて米雇用統計も無事通過となれば30,000円の大台回復への期待が一段と高まりそうです。

なお、決算発表が続いていますが本日も引け後にはJFEホールディングス(5411)やホンダ(7267)、オリンパス(7733)、三井不動産(8801)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)