本日の日経新聞で「積み立て型商品はリスクが低い?」という特集があったのをご覧になった方も多いことでしょう。
毎週水曜日にライブでお届けしている「マネックス『チャット駆け込み寺』」( http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G100/seminar/refuge_temple.htm
)でも、先日投信の積み立てについての質問がありました。積み立てを続けているけれど負け続けていて困っています・・・とのことでした。
新聞の内容を繰り返しても仕方ありませんが、上記の回答も含め、積み立てが向いているケースについて簡単にご案内しましょう。
●価格が上下しながらも右肩上がりを期待できること
価格が下がり続けてしまうと、買えば買うほどマイナスを積み重ねてしまうことになります。どの市場、どのタイプの商品での運用なのか、商品選びのポイントになります。十分に下がり切った相場は反転後の上昇期待は大きくなりますので、そういったタイミングにスタートすることも。
●投資期間を中長期に構えられること
少額ずつ積み立てているので、短期間で大きなリターンを期待するタイプの投資ではありません。下がることもあることを念頭に続けることに意味があります。
●ノーロード(販売手数料がゼロ)かつ信託報酬が少ないこと
長期運用をする際の「敵」はコストです。毎月買い付けに手数料がかかったり、保有中に高い信託報酬がかかると意外に大きくコストがかさむものです。継続のためにはコストは最小を心がけましょう。
●精神的に負けてしまう方もしくは仕事などで忙しく投資と十分に向き合う時 間の取れない方
「今年こそ投資を!」といってなかなかスタートを切れない方。相場を見ていて判断に迷う方。忙しくて相場を見ながら売買をする余裕のない方。機械的に買い付けを続けてくれる積み立てであれば、気負いは必要ありませんし、何より投資が継続できます。
●投資初心者
「投資はまとまった資金が必要なのでしょう?」と聞かれたことがありますが、今はなんと月額1000円から積み立てが可能です。デフレで懐が厳しくなってきている方でも、月々1000~2000円のお金であれば、無駄な「使途不明金」をカットするだけで毎月浮かすことができる金額ではないでしょうか。
わずかなお金でも継続すれば、当然投資額は積み重なっていきます。投資をしている、という気持ちから経済ニュースなどをこれまで以上に注意するようにもなると思います。投資を学ぶ第一歩としては少額なだけに、気軽に始められるのではないでしょうか。
●投信は少額でも分散効果
どんなに有名な一流企業でも破たんすることはあります。個別銘柄の株式を保有するリスクはゼロ=無価値になるリスクでもあります。投資信託は多数の銘柄に分散投資している商品なので、ゼロになることはありません。少額であってもリスクを分散できるメリットがあります。
値動きのある市場で取引をする場合、リターンを得るには安く買って高く売る(高く売って安く買い戻す)しかありませんが、それが簡単ではないことはご存じだと思います。
投資資金のねん出を悩まれる方も多いです。
それらの問題を100%解決できるわけではありませんが、少しずつ始めることで、大きな火傷はしないで済む、そんな積み立てを運用計画の一部に考えてみてはいかがでしょう?
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー