東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に反落となりました。50円安の29,056円で寄り付いた日経平均は朝方にプラスに転じる場面もありましたが、33円高の29,139円で上値が押さえられると直ぐにマイナスとなり10時50分前に235円安の28,870円まで下落しました。
しかし、その後切り返し159円安の28,946円で前場を終え後場に入ってさらに下げ幅を縮めると結局7円安の29,098円と後場の高値で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。
2.個別銘柄等
第3四半期決算を発表したシマノ(7309)が8.2%高となりました。新型コロナウイルスワクチンの接種が進んだ欧米で経済活動再開の動きが広がり主力の自転車部品の販売が好調に推移していることから通期の営業利益の見通しを1245億円から市場予想を上回る1355億円に上方修正したことで大幅高となりました。
上期決算を発表した日東電工(6988)も7.3%高となりました。新型コロナウイルスワクチン向けに利益率が高い核酸医薬の受託生産が伸びるうえ、スマホやデータセンター向け部材も好調で通期の営業利益の見通しを1050億円から市場予想を上回る1260億円に引き上げたことが好感されました。同じく上期決算を発表した日立建機(6305)も円安や欧米を中心に建設機械の需要が増加したことなどから通期の調整後営業利益の見通しを620億円から市場予想を上回る740億円に引き上げたことで7.1%高となりました。
ジャスダック市場では電池材料の開発や生産を手掛ける田中化学研究所(4080)が15.3%上昇しストップ高となりました。上期決算を発表し、車載用のリチウムイオン電池向けの正極材料の販売が伸びたことなどから赤字を見込んでいた通期の営業損益が一転して黒字になる見通しとなり買いを集めました。
一方で上期決算を発表した日本電産(6594)が2.9%安となりました。家電向け省エネモーターなどが好調で通期の営業利益の見通しを1800億円から1900億円に引き上げましたが、市場予想に届かなかったことで売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は7円安となりました。昨日の米国市場が小幅な上昇に止まるなか昨日に大幅高となった反動で売りが優勢となりました。しかし、一時節目の29,000円を割り込みましたが、29,000円を下回ったところでは押し目買いが入り下げ幅を縮め29,000円を引けでは維持しています。明日以降、決算発表がさらに本格化しますが、こうしたなかで決算発表を支えに29,000円を引き続き維持して水準をさらに切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
なお、本日も引け後には信越化学工業(4063)や日立(6501)、富士通(6702)、ファナック(6954)、SCREENホールディングス(7735)、JR東海(9022)などが決算発表を予定しています。また、27日の米国でもボーイング(BA)やコカ・コーラ(KO)、マクドナルド(MCD)、ゼネラル・モーターズ(GM)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)