【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,677.02 △73.94 (10/22)
NASDAQ: 15,090.20 ▼125.50 (10/22)
1.概況
先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は中国恒大集団が米ドル建て社債の利払いを実施したと伝わったことで反発し史上最高値を更新しましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株の一角に売りが出たことで反落となりました。4ドル高でスタートしたダウ平均は161ドル高まで上昇した後伸び悩むと上げ幅を縮め昼前にマイナスに転じましたが、69ドル安で下げ渋ると持ち直し結局73ドル高の35,677ドルで取引を終え8月16日に付けた史上最高値(35,625ドル)をおよそ2ヶ月ぶりに更新しています。
一方でS&P500株価指数が4ポイント安の4,544ポイントと8日ぶりに反落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も125ポイント安の15,090ポイントと反落となっています。
2.経済指標等
10月の米製造業PMI速報値は59.2と前月から低下し市場予想も下回りました。また、9月の米財政収支は620億ドルの赤字となっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、金融が1%を超える上昇となったほか、エネルギーも1%近く上げています。一方でコミュニケーション・サービスや一般消費財・サービスなどの4業種が下げ、コミュニケーション・サービスは2%以上下落しています。
4.個別銘柄動向
決算が市場予想を上回る増収増益だったアメリカン・エキスプレス(AXP)が5%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。電気自動車のテスラ(TSLA)も決算を好感した買いが続き2%近く上げ上場来高値を更新しています。一方でインテル(INTC)が決算で10-12月期の利益見通しが市場予想に届かなかったことで11%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。さらに決算で売上高などが市場予想に届かなかった写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)が26%を超える下落となりました。また、スナップの急落がフェイスブック(FB)やツイッター(TWTR)、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)などにも波及し、フェイスブックとツイッターが5%前後の下げとなり、アルファベットも3%以上下落しています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.07%低い1.63%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ113円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末の米国市場でナスダック総合株価指数が反落となったことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)