【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,609.34  △152.03 (10/20)
NASDAQ: 15,121.68  ▼7.41 (10/20)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は市場予想を上回る決算発表が続いていることや、暗号資産のビットコインが最高値更新したことを好感して続伸となりましたが、ナスダック総合株価指数は長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出て6日ぶりに反落となりました。17ドル高でスタートしたダウ平均は上げ幅を広げ昼過ぎに212ドル高の35,669ドルまで上昇し8月16日に付けた史上最高値(35,625ドル)を上回るとその後伸び悩みやや上げ幅を縮めましたが、堅調に推移すると結局152ドル高の35,609ドルで取引を終え続伸となっています。また、S&P500株価指数も16ポイント高の4,536ポイントと6日続伸となり9月2日に付けた史上最高値にほぼ並んでいます。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は7ポイント安の15,121ポイントとなっています。

2.経済指標等

米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備制度理事会(FRB)は大部分の地区は経済活動が緩慢から緩やかなペースで成長したとしています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、公益事業と不動産、ヘルスケアが1%を超える上昇となりました。一方で情報技術とコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービスの3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では決算で1株利益が市場予想を上回ったベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)が2%を超える上昇となったほか、前日までに好決算を発表した保険のトラベラーズ(TRV)や医療保険のユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も2%を超える上昇となっています。一方でマクドナルド(MCD)とゴールドマン・サックス(GS)が1%以上下げ、長期金利の上昇を受けてセールスフォース・ドットコム(CRM)やマイクロソフト(MSFT)も軟調でした。

ダウ平均構成銘柄以外では、ビットコイン価格が一時67,000ドル近くまで上昇し過去最高値を付けたことで暗号資産交換業者のコインベース・グローバル(COIN)が3%近く上げています。動画配信のネットフリックス(NFLX)は決算で世界の有料契約者数の伸びが会社予想や市場予想を上回りましたが、材料出尽くしで売りが優勢となり2%余り下げています。オランダの半導体製造装置のASMLホールディング(ASML)も決算で売上高の見通しが市場予想を下回ったことで4%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い1.65%となりました。ドル円は114円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が続伸となったことからやや買い優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が一日を通して堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)