ペプシコ(PEP)決算:一株利益は1.72ドルで市場予想を上回る
企業概要
ペプシコは、食品・飲料品世界最大手のうちの1社である。さまざまなブランドで飲料およびスナック類の製造、マーケティング、販売を手掛け、主なブランドには、Pepsi、Mountain Dew、Gatorade、Doritos、Lays、Rufflesなどがある。一部の市場で第三者のボトラー、請負メーカー、流通業者を通じて製品を提供しているものの、全体として統合されたマーケティング・アプローチを採用している。自社ブランドに加え、スターバックスをはじめとする他の企業との提携やジョイント・ベンチャーを通じて、他のブランドの製品の製造や流通も手掛ける。事業は、主要地域別に5つの部門で展開しており、このうち、北米部門(フリトレー北米、クエーカー・フーズ北米、北米飲料事業で構成される)が、連結売上高の60%以上を占めている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月-9月期)実績
★売上高・・・前年同期比12%増の201.89億ドル(市場予想は193.78億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.72ドル(市場予想は1.53ドル)
★純利益・・・前年同期比7%増の24.83億ドル(市場予想は24.02億ドル)
2021年通期ガイダンス
★実質的な売上高の伸び率・・・8%増(従来予想は6%)
7-9月期決算(第3四半期)では、1株利益、売上高とも予想を上回った。一方、ガイダンスも公表されたが、通期の1株利益の見通しは従来と変わらずだった。実質売上高の伸びは上方修正している。
今後の株価見通し
通期の実質売上高のガイダンスは上方修正されたものの、1株利益は据え置かれた。サプライチェーン(供給網)混乱の影響や人員不足による人件費高騰、輸送費や原材料価格の上昇が利益を押し下げた。飲料品、スナック菓子価格の値上げでしのぐ構えだ。相場全体の地合いが良くないこともあり、株価は小幅高に留まっている。株価は150ドル近辺で下値固めの動きに入りそうだ。
デルタ航空(DAL)決算:一株利益は0.3ドルで市場予想を上回る
企業概要
デルタ航空は、アトランタに本拠を置く世界最大級の航空会社である。世界50ヶ国以上300を超える都市にネットワークを有する。ハブ&スポーク方式ネットワークの運航体系で、拠点となるアトランタ、ニューヨーク、ソルトレイクシティ、デトロイト、シアトル、ミネアポリス・セントポールに世界中から乗客を集約し各地への乗り継ぎを行う。特にアメリカン・エキスプレスへのマイレージ・プログラムの販売が大きな収益源となっている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月-9月期)実績
★売上高・・・前年同期比199%増の91.54億ドル(2019年同期比27%減、市場予想は84.50億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・0.30ドル (市場予想は0.17ドル)
★純利益・・・前年同期比109%増の1.94億ドル(市場予想は1.12億ドル)
第4四半期ガイダンス
★売上高・・・2019年同期の70%前半台に回復
7-9月期決算では、1株利益、売上高とも予想を上回った。旅客運賃収入も予想を上回り、新型コロナウイルス感染拡大以降で初めて政府支援なしで黒字化した。
今後の株価見通し
経済正常化への期待に支えられて買われてきたが、次の10-12月期赤字転落の可能性を受け、売られた。旅客需要の回復などを受け、11月と12月には収入が新型コロナウイルス感染拡大前の75%まで回復するとみるものの、平均燃料価格が10-12月期には、前四半期比で20%上昇を見込んでいると言う。旅客需要のほかに、原油価格動向が新たな変数になってきた。
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(JPM)決算:一株利益は3.74ドルで市場予想を上回る
企業概要
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーは、3兆ドルを超える資産を有する米国最大の複合金融機関の1つである。コンシューマー&コミュニティ・バンキング、コーポレート&インベストメント・バンキング、コマーシャル・バンキング、アセット&ウェルス・マネジメントの4つの主要部門からなる。複数の国で規制下で事業を展開している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月-9月期)実績
★収入・・・前年同期比2%増の304.41億ドル(市場予想298.6億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・3.74ドル(市場予想2.97ドル)
★純利益・・・前年同期比25%増の112.29億ドル(前年同期は89.18億ドル)
2021年7-9月期決算は純利益が前年同期比24%増の116億ドル(約1兆3200億円)だった。米経済の見通しが改善し、融資の焦げ付きに備えて積んでいた貸倒引当金を戻し入れたことが純利益を押し上げた。M&A(合併・買収)や新規株式公開(IPO)の動きが活発で手数料収入も増えた。
今後の株価見通し
米10年債の金利上昇にともなって株価も上昇したが、10月14日の執筆時点では10年債金利が低下している為、同行株には利益確定売りが先行している。今後は好調な事業背景が株価に反映されるだろう。