【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,377.81  ▼0.53 (10/13)
NASDAQ: 14,571.64  △105.71 (10/13)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均はアメリカン・エキスプレス(AXP)やJPモルガン・チェース(JPM)の下落が重石となりわずかに4日続落となりましたが、CPIコア指数が前月と変わらずの伸びとなったことで過度なインフレ懸念が後退しハイテク株などが買われたことでS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は4日ぶりに反発となりました。5ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に263ドル安まで下落しましたが、持ち直すと昼過ぎにプラスに転じその後は前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となり結局53セント安の34,377ドルとほぼ横ばいで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が13ポイント高の4,363ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も105ポイント高の14,571ポイントとなっています。

2.経済指標等

9月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.4%上昇となり前月を上回る伸びとなり市場予想も上回りました。一方で変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年同月比4.0%上昇と前月と変わらずの伸びとなり市場予想と一致しています。また、9月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では11月の次回会合でテーパリング(量的緩和の縮小)開始を決定した場合は11月半ばか12月半ばに開始すると議論していたことがわかりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や素材、一般消費財・サービスなどの9業種が上げ、公益事業は1%を超える上昇となりました。一方で金融とエネルギーの2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではアメリカン・エキスプレスが3%を超える下げとなり下落率トップとなったほか、JPモルガン・チェースも決算で個人や中小企業向けの融資が減少したことを嫌気して2%以上下げアメリカン・エキスプレスに次ぐ下落率となりました。アメリカン・エキスプレスとJPモルガン・チェースの2銘柄でダウ平均を70ドル近く押し下げています。一方でセールスフォース・ドットコム(CRM)とナイキ(NKE)が2%近く上げ、マイクロソフト(MSFT)も1%以上上昇しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、デルタ航空(DAL)が6%近く下げています。決算は1株利益が市場予想を上回りましたが、燃料価格の上昇が10-12月期の利益を圧迫するだろうとの認識を示したことで売りが優勢となりました。他の空運株にも売りが波及しアメリカン航空グループ(AAL)とユナイテッド航空ホールディングス(UAL)も3%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い1.53%となりました。ドル円は113円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が反発したことから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)