東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて9日ぶりに反発しました。137円高の27,665円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分後に79円高の27,607円まで上げ幅を縮めましたが、そこから切り返すと11時10分過ぎに486円高の28,015円まで上昇し461円高の27,990円で前場を終えました。348円高の27,877円でスタートした後場の日経平均は13時50分前に111円高の27,640円まで上げ幅を縮めた後やや戻すと結局149円高の27,678円で取引を終えています。一方でTOPIXは小幅に下落となりましたが、新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

半導体製造装置のディスコ(6146)が一時3.2%高となりました。半導体メーカー各社が増産に向けて生産能力を強化していることから上期の単独売上高が前年同期比37.1%増の962億円となり従来予想の899億円を63億円上回ったことが好感されました。他の半導体製造装置関連銘柄も堅調で、なかでもレーザーテック(6920)は一時4.6%高となっています。

ウエルシアホールディングス(3141)も一時10.0%高となり年初来高値を更新しました。新型コロナウイルスの流行で消毒液など高付加価値商品のまとめ買いが好調だった前年同期の反動が出たことで上期の営業利益は二桁の減益となりましたが、第1四半期3ヶ月間に比べ第2四半期3ヶ月間の前年同期比での減益幅が大きく縮小し改善がみられたことで買いが優勢となりました。第1四半期の決算を発表したウェザーニューズ(4825)も5.1%高となりました。新しいコンテンツの導入やテレビCMで利用者が拡大しスマホ向けアプリ内の広告収入などが伸びることなどから上期の営業利益の見通しを6億円から8億円に上方修正したことで買いを集めました。

また、買い戻しが入り大手海運株が高く日本郵船(9101)が5.2%高、商船三井(9104)が4.0%高、川崎汽船(9107)も6.9%高となっています。さらに暗号資産のビットコインが5万5000ドル台を回復し5月以来の高値を付けたことで暗号資産交換業者に出資するセレス(3696)が5.3%高となっています。

一方でイオン(8267)が6.1%安となり年初来安値を更新しました。上期の営業利益は前年同期比で2.3倍となりましたが、第2四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で16.9%減と減益に転じたことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は149円高となりました。昨日の米国市場が債務上限問題の懸念が後退したことで続伸となったことから買いが優勢となりました。しかし、節目の28,000円を超えたところでは上値が重く、伸び悩むと上げ幅を縮めるなど昨日までの8日間で2,700円以上も下げたにも関わらず戻りは鈍く、下値への警戒感を払拭できていないといえそうです。なお、小売り企業を中心とした2月決算企業の上期決算発表が本格化していますが本日も引け後にセブン&アイ・ホールディングス(3382)やローソン(2651)、オンワードホールディングス(8016)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)