東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に続落となりました。97円安の30,142円で寄り付いた日経平均は9時10分過ぎに68円安の30,171円まで戻した後下げ幅を広げると9時30分過ぎに238円安の30,001円まで下落しましたが、30,000円を割り込むことなく踏み止まると持ち直し100円安の30,139円で前場を終えました。
82円安の30,157円でスタートした後場の日経平均は下げ幅を広げ13時過ぎに144円安の30,095円まで下落しましたが、権利付き最終売買日で引けにかけて配当の再投資と思われる買いが先物に入り14時50分前に32円安の30,207円まで下げ幅を縮めると結局56円安の30,183円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。
2.個別銘柄等
しまむら(8227)が4.5%安となりました。上期6ヶ月間の営業利益は前年同期比で58.6%増と大幅な増益となりましたが、第2四半期3ヶ月間でみると営業利益が前年同期比で28.6%減と大幅な減益となったことで大幅安となりました。あさひ(3333)も6.3%安となりました。パートやアルバイトなどの人件費がかさんだうえ、チラシ広告が新型コロナウイルス前の水準に戻ったことで広告宣伝費も増えたことなどから上期の営業利益が前年同期比で18.1%減となったことが嫌気されました。
また、利益確定の売りが出て海運大手3社が大きく下落し、日本郵船(9101)が8.2%安、商船三井(9104)が7.0%安、川崎汽船(9107)も14.5%安となりました。こうしたなかで売りがかさみ日本郵船が東証1部の売買代金でトップとなったほか、第2位が川崎汽船、第3位が商船三井となるなど売買代金ランキングで上位を占めました。
一方で111円台前半まで円安が進んだことで自動車株が堅調で、なかでもマツダ(7261)が一時3.5%高となり、ホンダ(7267)も一時2.9%高となりました。さらに原油価格の上昇を受けてINPEX(1605)が4.2%高となり年初来高値を更新し、エーザイ(4523)も6月に米国で承認されたアルツハイマー治療薬「アデュカヌマブ」の次の有力候補とされるアルツハイマー病治療薬候補「レカネマブ」について米食品医薬品局(FDA)に承認申請を始めたと発表したことで一時4.3%高となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は56円安となりました。昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり買い材料に乏しいこともあって売りが優勢となりました。本日は30,000円の大台を前に底堅さをみせると下げ幅を縮めましたが、明日は権利落ち日で180円程度とみられる配当落ちがあるなかで引き続き30,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。
なお、今週から小売り企業を中心とした2月決算企業の上期決算が徐々に本格化していますが本日も引け後にはスギホールディングス(7649)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の23時には9月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表されるほか、パウエルFRB議長の米上院銀行委員会での証言も予定されています。さらに明日は13時から自民党総裁選の投開票が行われる予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)