東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続落となりました。94円安の29,744円で寄り付いた日経平均は10時過ぎに265円安の29,573円まで下落した後持ち直すとプラスに転じましたが、28円高の29,868円で伸び悩むと再びマイナスとなり174円安の29,665円で前場を終えました。

160円安の29,679円でスタートした後場の日経平均は13時30分前に224円安の29,615円まで下落した後下げ幅を縮めると14時20分に101円安の29,737円まで持ち直しましたが、その後下げ幅を広げると結局200円安の29,639円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が一時2.6%高となりました。米地銀のMUFGユニオンバンクの個人・中小企業部門を米地銀最大手のUSバンコープ(USB)に売却すると発表したことで事業改革による収益の改善や、対価として受け取る現金を活用した株主還元策などを期待した買いが優勢となりました。日本オラクル(4716)も5.8%高となりました。クラウドサービスの導入が金融機関などで拡大したことなどから第1四半期の営業利益が前年同期比で16.6%増となったことで大幅高となりました。

ツルハホールディングス(3391)も一時4.2%高となりました。前年同期にみられた新型コロナウイルス禍でのマスクなど衛生用品の需要増や巣ごもり消費の反動減が出たことで第1四半期の営業利益が前年同期比で15.0%減となりましたが、販管費のコントロールにより会社計画を上回ったこともあって買いが優勢となりました。また、西松屋チェーン(7545)が気温の低下で長袖Tシャツや肌着、パジャマなど秋物衣料が大きく伸びたことなどで9月の既存店売上高が前年同月比9.6%増となり5ヶ月ぶりに前年を上回ったことで一時3.0%高となっています。

一方で投資判断と目標株価の引き下げを受けて大きく下げたのがハウス食品グループ本社(2810)やクスリのアオキホールディングス(3549)で、ハウス食品グループ本社が5.8%安、クスリのアオキホールディングスも5.4%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は200円安となりました。不動産大手の中国恒大集団のデフォルト懸念が引き続き相場の重石となるなか、昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいこともあって売りが優勢となりました。中国恒大集団が23日に控える社債の利払いを実施すると伝わると下げ幅を縮め小幅にプラスとなる場面もありましたが、昨日の終値を小幅に上回ったところで上値が押さえられると再び下げ幅を広げました。当面は中国恒大集団の動向に神経質な展開が続くことになりそうです。

なお、日本時間の23時には8月の米中古住宅販売件数が発表されるほか、23日の午前3時には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表される予定で、テーパリング(量的緩和の縮小)の開始の決定は見送られるとみられるなかで新たに2024年分が加わることもあって参加者らによる政策金利見通し(ドットチャート)に注目が集まりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)