【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,100.00 ▼269.09 (9/7)
NASDAQ: 15,374.33 △10.81 (9/7)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数はゴールドマン・サックス(GS)が新型コロナウイルスの感染拡大などを理由に年後半の米経済成長率予想を引き下げたことなどで景気の回復が遅れるとの懸念から景気敏感株に売りが出て続落となりましたが、ナスダック総合株価指数は主力ハイテク株が買われたことで4日続伸となり史上最高値を更新しました。4ドル高と小幅に上昇してスタートしたダウ平均ですが直ぐにマイナスに転じると下げ幅を広げ昼前に308ドル安まで下落しました。その後一旦160ドル安程度まで持ち直したダウ平均ですが引けにかけて再び下げ幅を広げると結局269ドル安の35,100ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も15ポイント安の4,520ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は10ポイント高の15,374ポイントとなり4日連続で史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、資本財・サービスと公益事業、不動産、生活必需品が1%以上下落しました。一方でコミュニケーション・サービスと一般消費財・サービス、情報技術の3業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が下げました。そのなかでもスリーエム(MMM)が4%以上下げ下落率トップとなりました。また、投資判断や目標株価の引き下げを受けてアムジェン(AMGN)とメルク(MRK)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)が安く、アムジェンが2%を超える下落となり、メルクとジョンソン・エンド・ジョンソンも1%を上回る下げとなっています。さらにハネウェル・インターナショナル(HON)も2%以上下げ、コカ・コーラ(KO)と出荷を停止している中型機787の出荷開始が少なくとも10月下旬まで遅れると伝わったボーイング(BA)も2%近く下落しています。一方でウォルト・ディズニー(DIS)が2%近く上げ、14日に特別イベントを開くと発表したアップル(AAPL)も1%を超える上昇となり上場来高値を更新しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、動画配信のネットフリックス(NFLX)が目標株価の引き上げが相次いだことで3%近く上げ上場来高値を更新しています。暗号資産交換業者のコインベース・グローバル(COIN)は暗号資産のビットコインが大きく下げたことで4%以上下落しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%高い1.37%となりました。ドル円は110円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。短期的な過熱感が意識され利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が昨日までの堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)