本日から確定申告の受付が始まりました。サラリーマンの多くの方にとってはあまり馴染みのないものかもしれませんね。

通常確定申告が必要な人は下記になります。
● 何らかの収入があり、所得税を払っていない
● 退職金(一般的には源泉徴収され完結)のうち、外国企業から受け取った ものなど、源泉徴収されていない部分がある
● 公的年金等雑所得のみが収入である

サラリーマンでも確定申告が必要な人もいます。
● 年間の給与収入が2000万円を超えている
● 給与以外の所得金額が年間20万円を超えている
● 2ヵ所以上から給与を受けた

また、確定申告をした方が得な場合もあります。例えば・・・
● マイホームをローンで購入した(初年度 次年度以降は年末調整可)
● 医療費が10万円を超えた
● さまざまな事情(退職 出産等)で、年末調整しそびれた
● マイホーム、ゴルフ会員権などを売却して損が出た
● 災害などの被害にあった

サラリーマンの方でも、投資・運用をされている方は注意が必要です。 「サラリーマンでも確定申告が必要な人」の2番目にある「給与以外の所得金額が20万円を超えている」かどうかがポイントになります。

株式や投資信託で運用している場合、特定口座「源泉徴収あり」を利用してれば確定申告の必要はありません。特定口座でも「源泉徴収なし」を利用していたり、一般口座の場合は確定申告する必要があります。
年間の上場株式等の売買において損失の方が大きい場合、翌年に課税されないだけではなく、その後最大3年間にわたって、損失を繰り越し、売却益から控除することができる「上場株式等の譲渡損失の繰越控除の特例」という制度があります。この特例を受けるためには確定申告が必要です。

さて、わかりにくいため気をつけていただきたいのはFX取引をされている方です。FXはご存知のとおり、レバレッジを効かせられる商品であるため、少額でも大きな利益を生み出すことができます。当然のことながら相場が大きく動けば、それだけ損益が大きくなる傾向があります。昨年夏以降は為替相場も荒れ相場が続いており、上げ相場、下げ相場ともに利益を得るチャンスのあるFXでは利益、損失とも大きくなっていることが多いかと思います。

FXの利益は上場株式などに適用される譲渡所得(申告分離課税)ではなく、雑所得に区分され総合課税となります。(当社で扱っている店頭取引の場合)そのため、株式の損失などとは「損益通算」することはできません。(外貨預金の為替差損益等とは損益通算できます。)

記憶に新しいと思いますが、FXの利益をきちんと確定申告しなかったために、脱税として有罪になったケースもありますのでご注意を!

金融商品ごとに税金の扱いが異なり、面倒に感じられると思いますが、必要な書類(期間損益計算書等)は証券会社(FX専業者等)から簡単に入手できますし、確定申告は説明指示通りに行えば、それほど難しいものではありません。税務署で相談に乗ってもらうこともできます。
確定申告は3月16日まで。早めに準備するようにしましょう。

税金の詳細につきましては、税務署等でご確認いただきますようお願いします。
マネックス・サイト内の税金についての説明>
http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G905/hlp/5q_tax.htm

国税庁のタックスアンサー>
http://www.nta.go.jp/taxanswer/index2.htm
廣澤 知子
マネックス証券 シニア・フィナンシャル・アドバイザ