【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,399.84 ▼55.96 (8/30)
NASDAQ: 15,265.89 △136.39 (8/30)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は景気敏感株に売りが出て反落となりましたが、長期金利の低下を受けてハイテク株が買われたことでS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は続伸となり史上最高値を更新しました。16ドル高でスタートしたダウ平均はマイナスに転じると朝方に81ドル安まで下落しましたが、持ち直すとプラスに転じ昼前に54ドル高まで上昇しました。しかし、伸び悩むと上げ幅を縮め引けにかけて下落に転じると結局55ドル安の35,399ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が19ポイント高の4,528ポイントとなり先週末に続いて史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も136ポイント高の15,265ポイントとなりこちらも先週末に続いて史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
7月の米中古住宅販売仮契約指数は前月比1.8%低下の110.7となり上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、不動産と情報技術が1%以上上昇したほか、一般消費財・サービスも1%近く上げました。一方で4業種が下げ、金融とエネルギーが1%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではハイテク株に買いが入るなかアップル(AAPL)が3%高となり上場来高値を更新したほか、マイクロソフト(MSFT)も1%以上上げています。一方で景気敏感株に売りが出るなかアメリカン・エキスプレス(AXP)が2%を超える下落となり、ボーイング(BA)も2%近く下げています。また、トラベラーズ(TRV)とダウ(DOW)に加えて、長期金利の低下を受けてJPモルガン・チェース(JPM)とゴールドマン・サックス(GS)も1%を上回る下落となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、バイオ製薬のモデルナ(MRNA)が日本に出荷した新型コロナウイルスワクチンに異物が混入していたことで3%安となっています。取引終了後に決算を発表したビデオ会議システムの米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)も8-10月期の業績見通しが市場予想に届かなかったことから時間外で大幅安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い1.28%となりました。ドル円は109円90銭台で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場が高安まちまちとなり新たな買い材料になりにくいことや、昨年の9月から続いている月末株安のアノマリーも警戒され本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。こうしたなかで日経平均が25日移動平均線(昨日時点で27,676円)を維持できるかがポイントとなりそうです。また、本日は日本時間の10時に中国で8月の製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)