東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて反発しました。日経平均は226円高の27,867円で寄り付くと直後に280円高の27,921円まで上昇しましたが、伸び悩むと10時40分前に15円高の27,656円まで上げ幅を縮めました。しかし、マイナスになることなく踏み止まるとやや戻し77円高の27,718円で前場を終えました。

76円高の27,717円でスタートした後場の日経平均は大引け間際に150円高の27,791円まで上昇すると結局148円高の27,789円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

目標株価の引き上げが相次いだことで先週末に大幅高となった海運大手3社が目標株価の引き上げが続いたことで本日も買いを集めました。日本郵船(9101)が一時4.6%高となったほか、商船三井(9104)が一時6.0%高、川崎汽船(9107)も一時5.3%高となりました。3銘柄が揃って年初来高値を更新し、日本郵船が東証1部で売買代金トップとなり、商船三井も日本郵船に次ぐ売買代金となっています。

目標株価と投資判断の引き上げを受けてニチレイ(2871)と大気社(1979)も高く、ニチレイが3.8%高、大気社が5.5%高となっています。また、先週末の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%近く上昇したことで半導体関連株が高く、なかでもレーザーテック(6920)が3.9%高となっています。

パナソニック(6752)も一時2.7%高となりました。2022年3月期の中間配当を前期の中間配当から1株あたり5円増配し15円にすると発表したことが好感されました。三井化学(4183)も自己株式を除く発行済み株式総数の1.79%にあたる350万株と100億円を上限とする自社株買いを発表したことで4.5%高となっています。一方で先週末に7月の売上高の伸びが鈍化したことで大幅安となった業務スーパーを展開する神戸物産(3038)が投資判断の引き下げを嫌気して一時2.5%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は148円高となりました。米カンザスシティー連銀主催の国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けて当面は緩和的な金融環境が続くとの見方が広がり先週末の米国市場が反発し、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩むと上げ幅を大きく縮める場面もみられました。

明日が月末で月末株安というアノマリーへの警戒感が相場の重石となったともみられますが、こうしたなかで昨年の9月から続くこのアノマリーを止めることができるかが明日はポイントとなりそうです。また、明日は日本時間の10時に中国で8月の製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)