【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,455.80  △242.68 (8/27)
NASDAQ: 15,129.50  △183.69 (8/27)

1.概況

先週末の米国市場はジャクソンホール会議での講演でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がテーパリング(量的緩和の縮小)開始時期について年内が適切との見方を示した一方で、テーパリングは将来の利上げ時期について直接的なシグナルにはならないと述べたことで緩和的な金融環境が続くとの見方が広がり反発し、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しました。17ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に250ドル高近くまで上昇した後一旦伸び悩みましたが、堅調に推移すると午後に入って再び上げ幅を広げ取引終盤には266ドル高まで上昇しました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局242ドル高の35,455ドルで取引を終えています。

また、S&P500株価指数が39ポイント高の4,509ポイントと初めて4,500ポイント台に乗せ25日に付けた史上最高値(4,496ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も183ポイント高の15,129ポイントとなりこちらも25日に付けた史上最高値(15,041ポイント)を更新しています。

2.経済指標等

7月の個人消費支出(PCE)は前月比0.3%増となり市場予想と一致しました。また、米個人所得は前月比1.1%増となり市場予想を上回りました。一方で8月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は70.3と速報値からわずかに上方修正されましたが市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、エネルギーが2%を超える上昇となったほか、コミュニケーション・サービスと素材、金融も1%以上上げています。一方でヘルスケアと公益事業の2業種が下げました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中23銘柄が上げました。そのなかでもダウ(DOW)とボーイング(BA)、ウォルト・ディズニー(DIS)が2%を超える上昇となったほか、アメリカン・エキスプレス(AXP)とゴールドマン・サックス(GS)も2%近く上げました。シェブロン(CVX)とインテル(INTC)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、トラベラーズ(TRV)も1%以上上昇しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が英半導体設計大手のアーム買収計画に関して来月初めに欧州連合(EU)に承認を求める見通しと伝わったことで2%を超える上昇となりました。一方でフィットネス機器販売のペロトン・インタラクティブ(PTON)が主力のエクササイズバイクの20%値下げによって短期的に利益が圧迫されるとの見通しを示したことなどで8%以上下げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利はジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の発言を受けて当面は緩和的な金融環境が続くとの見方が広がり0.04%低い1.31%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)