あけましておめでとうございます。皆さまはどんなお正月を過ごされましたか?
年が明けて新たな気持ちになった方も多いかと思いますが、「1年の計」は立てられましたでしょうか?

2年前の2007年のお正月明けに「1年の計」について書いていました。
http://lounge.monex.co.jp/column/money/2007/01/15.html

さてお正月の日経新聞(日経プラスワン)で興味深いアンケートがありました。ご覧になった方も多いかと思いますが、「"1年の目標"立てますか?」というもの。アンケートでは調査対象のなんと65%が今年は「1年の計」=目標を立てたということです。昨年の調査に比べると大幅に増えているそうで、世相も関係しているのかもしれませんね。
なんといっても、その目標の第1位は「節約してお金をためる」でしたので。
それにしても「1年の目標」が「節約」というのはなんとも寂しいもの。 お金は様々な目標をかなえるためには必要不可欠なものかもしれません。でもお金そのものが目標?多くの方が将来に向けて、とても不安を感じている表れなのでしょう。

この第1位を見た瞬間、もう一つ思ったことがあります。お金をためたいときの手段が「節約」・・・?そう思ったのは私だけではないと思います。
●節約でお金がたまる? → ちりも積もれば山となる、とは言いますが、そ んなに効果があるもの?よほど無駄遣いの多い人でないと・・・?
●お金の「ため先」は預貯金? → 言わずと知れた超低金利。元本はほとん ど増えません。
●お金を使うこと=悪? → 人々が消費をしなくなり、内向きになればなる ほど景気は低迷してしまう

少し前に貯金箱が大ヒットしているというニュースもありました。無駄遣いをしないでお金をためようという気持ちはとても大切です。でも貯金箱にはそれこそ一切の利息はつきませんし、1円、10円と貯めていっても、なかなか「資産を増やす」ことには貢献してくれません。

お金を増やすということは、たしかに大変なことです。世界中の金利が下がってしまい、株式市場の下落が大きかった昨年を考えると、「増やす」ことまで望まないで、せめて「ためる」ことを思うのかもしれませんね。

以前にも書きましたが、相場は人が参加して成り立つもの、つまり人の気持ちが大きく反映されています。個々人のマインドが萎んでしまうことは相場には大きくマイナスの影響を与えてしまうものです。

本日は大発会。日経平均も9,000円台を回復しました!新年のご祝儀相場とも言われますが、丑年の名に違わず、「ブル」=上昇で景気づけとなっていってほしいものです。
そうした勢いが、人の気持ちに働きかけ、結果として景気に、そして個人の懐に帰ってくると期待したいですね。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

廣澤 知子
マネックス証券 
シニア・フィナンシャル・アドバイザー