【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,213.12  ▼192.38 (8/26)
NASDAQ: 14,945.81  ▼96.05 (8/26)

1.概況

米国市場はアフガニスタンの首都カブールの国際空港の周辺で爆発があり犠牲者が出たことなどから地政学リスクが意識されたことや、テーパリング(量的緩和の縮小)の前倒しを主張する連銀総裁の発言が相次いだことでジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言に対する警戒感が高まったことなどから反落となりました。44ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に92ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むと上げ幅を縮めまもなくしてマイナスに転じました。引けにかけて下げ幅を広げたダウ平均は結局192ドル安の35,213ドルと安値圏で取引を終え5日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も96ポイント安の14,945ポイントとなり6日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比4000件増の35万3000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。また、4-6月期の米実質GDP改定値は年率換算で前期比6.6%増と速報値の6.5%増から上方修正されましたが、市場予想には届きませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーやコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービス、素材などの10業種が下げ、エネルギーは1%を超える下落となりました。一方で不動産が上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が下げました。そのなかでもボーイング(BA)が2%安となり下落率トップとなったほか、ナイキ(NKE)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、キャタピラー(CAT)、トラベラーズ(TRV)、シェブロン(CVX)、インテル(INTC)、ウォルマート(WMT)も1%以上下げています。一方で決算が市場予想を上回ったことで目標株価の引き上げが相次ぎセールスフォース・ドットコム(CRM)が2%以上上げ上昇率トップとなっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、決算が減収減益となった1ドルショップのダラー・ゼネラル(DG)が3%を超える下落となり、同業のダラー・ツリー(DLTR)も決算で売上高が市場予想を下回ったことで12%余り下げています。カジュアル衣料チェーンのアバクロンビー・アンド・フィッチ(ANF)も決算で売上高が市場予想を下回ったことで10%安となりました。化粧品のコティ(COTY)は決算で売上高が市場予想を上回ったことなどで14%を上回る上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い1.35%となりました。ドル円は110円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。ジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を今晩に控えて様子見となりやすいなかで日経平均が25日移動平均線(昨日時点で27,656円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)