【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,894.12  ▼66.57 (8/19)
NASDAQ: 14,541.79  △15.88 (8/19)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均はテーパリング(量的緩和の縮小)開始の前倒しを引き続き警戒し景気敏感株などが売られたことで3日続落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株が買われたことで反発しました。86ドル安でスタートし直後に270ドル安まで下落したダウ平均はその後持ち直すとプラスとなる場面もありましたが小幅に上昇したところで上値が押さえられると軟調に推移し結局66ドル安の34,894ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が5ポイント高の4,405ポイントと3日ぶりに反発したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も15ポイント高の14,541ポイントと4日ぶりに反発となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週から2万9000件減の34万8000件となり市場予想を上回る改善となりました。また、7月の米景気先行指標総合指数も116.0と前月から上昇し市場予想を上回りました。一方で8月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は19.4と前月から低下し市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術や不動産、生活必需品などの6業種が上げ、情報技術と不動産は1%近く上昇しました。一方でエネルギーや素材、資本財・サービスなどの5業種が下げ、エネルギーが2%を超える下落となり、素材も1%近く下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は景気敏感株に売りが出るなかボーイング(BA)が3%を超える下落となったほか、キャタピラー(CAT)とシェブロン(CVX)、ダウ(DOW)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も2%以上下げました。一方でハイテク株に買いが入るなか決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったシスコシステムズ(CSCO)が4%近く上昇し、業務ソフトを値上げすると発表したマイクロソフト(MSFT)も2%以上上げています。また、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も2%を超える上昇となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、決算で売上高と1株利益が市場予想を上回った百貨店のメーシーズ(M)とコールズ(KSS)が高く、メーシーズが急伸し20%近く上げ、コールズも7%を超える上昇となりました。さらに画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)も決算が市場予想を上回ったことで目標株価の引き上げが相次ぎ4%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%低い1.24%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなり材料になりにくいことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか昨日に300円以上下げた日経平均が自律反発の動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)