東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日続落となりました。日経平均は143円高の27,666円で寄り付くと取引開始から5分で227円高の27,750円まで上昇しましたが、伸び悩むと11時10分過ぎに7円高の27,530円まで上げ幅を縮め46円高の27,569円で前場を終えました。

24円高の27,547円でスタートした後場の日経平均は12時40分前にマイナスに転じた後一旦プラスに戻し13時20分過ぎに44円高の27,567円まで上昇しました。しかし、伸び悩むと再びマイナスとなり結局98円安の27,424円と本日の安値で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となり、東証マザーズ指数は昨日に続いて年初来安値を更新しています。

2.個別銘柄等

第1四半期決算を発表した東京エレクトロン(8035)が一時3.0%高となりました。人工知能(AI)や高速通信規格5Gの普及に伴う半導体需要の高まりで半導体製造装置の引き合いが活発になっていることなどから通期の営業利益の見通しを4420億円から5080億円に上方修正したことで買いが先行しました。しかし、買いが続かず引けは0.7%安となっています。

また、ばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数が2010年6月以来の高水準となっていることなどから大手海運株が高く、日本郵船(9101)が一時3.1%高となり東証1部で売買代金トップとなったほか、商船三井(9104)も一時3.3%高、川崎汽船(9107)も一時5.7%高となりました。日本郵船と商船三井、川崎汽船は揃って年初来高値を更新しています。

マザーズ市場では地域情報サイト運営のジモティー(7082)が7.4%高となりました。課金してサービスを使う利用者が増えたほか、利用回数も増えて課金単価が上昇したことなどから上期の営業利益が前年同期比で76.9%増となり通期予想に対する進捗率が87.2%となったことから業績の上振れ期待が高まり買いを集めました。一方で投資判断や目標株価の引き下げに反応したのが古河電気工業(5801)や日本航空(9201)で、古河電気工業は投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時2.8%安となり年初来安値を更新し、日本航空も目標株価の引き下げを受けて2.7%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は98円安となりました。昨日の米国市場でダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新したことや昨日に大きく下げた反動もあって買いが先行しましたが、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めると後場に入って下落に転じました。そのため上値の重さが強く意識されそうですが、4日間で650円近くも下げただけに明日以降の切り返しに期待したいところです。

なお、日本時間の21時30分には7月の米小売売上高が発表されるほか、22時15分には7月の米鉱工業生産指数が発表される予定です。また、18日の午前2時30分にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がオンラインでのタウンホールミーティング(意見交換会)を行う予定です。さらに17日の米国ではウォルマート(WMT)やホーム・デポ(HD)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)