東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は5日ぶりに小幅反落となりました。日経平均は106円高の28,177円で寄り付くと取引開始から20分余りで209円高の28,279円まで上昇しましたが、11時前に42円高の28,113円まで上げ幅を縮めると57円高の28,127円で前場を終えました。

前引けとほぼ変わらずの57円高でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに94円高の28,164円まで上昇した後上げ幅を縮め13時過ぎにマイナスに転じ14時50分に64円安の28,006円まで下落すると結局55円安の28,015円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。

2.個別銘柄等

上期決算を発表した電通グループ(4324)が5.0%高となり年初来高値を更新しました。広告事業の収益回復が見込まれることから今期の営業利益が市場予想を上回る2096億円となる見通しを公表したことで大幅高となりました。第1四半期の決算を発表した空気圧機器のSMC(6273)も3.7%高となり年初来高値を更新しました。半導体や自動車業界を中心に機器販売が想定より増えることなどから通期の営業利益の見通しを1730億円から2000億円に上方修正し最高益を更新する見込みとなったことが好感されました。

森永製菓(2201)も7.3%高となりました。通期の業績予想は据え置きとなりましたが、第1四半期の営業利益が主力のゼリー飲料の販売が回復したことなどから前年同期比で17.7%増となり、通期予想に対する進捗率が36.8%となったことで業績の上振れ期待が高まり買いを集めました。

一方で楽天グループ(4755)が6.4%安となりました。携帯通信事業で基地局設置などの先行投資が膨らんだことなどで上期の営業損益が1009億円の赤字となり前年上期に比べ赤字幅が大きく膨らんだことで売りがかさみました。コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス(2579)もスーパーやドラッグストア向けの販売単価が低下したことや、利益率の高い自販機の販売低迷が続いたことなどから上期の営業赤字が前年上期に比べ拡大したことで急落し15.2%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は55円安となりました。米消費者物価指数(CPI)の伸びが前月から鈍化し過度なインフレ懸念が後退したことで昨日の米国市場でダウ平均とS&P500株価指数が連日で史上最高値を更新したことから買いが先行しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと昨日に200日移動平均線や節目の28,000円を回復したこともあって戻り待ちの売りも出やすく後場に入って下落に転じました。そのため上値の重さがやや意識されそうですが、こうしたなかで28,000円や200日移動平均線(27,994円)を明日以降も維持できるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表も終盤ですが本日も引け後にはJFEホールディングス(5411)やリクルートホールディングス(6098)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や7月の米卸売物価指数(PPI)の発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)