ここのところ、オセアニア通貨が売られています。(今日はちょっと戻していますね。)もちろん最近はドル円やユーロドルといったハードカレンシー(市場の中心となる通貨ペア)の乱高下が目立ちますので、オセアニア通貨に限ったことではありませんし、オセアニア通貨のクロス円(豪ドル円やNZドル円)はドル円につられている部分も多いことでしょう。
いずれにせよ、かなり早い値動きですので、FXではロスカットをされた方も多かったかもしれません。

資源国でかつ金利が高いということで、FXでも人気通貨である豪ドルやNZドルなのですが、ここ1年くらいの為替の動きで見てみるとたしかに大きく下落してきています。大変順調であった経済も鈍化しつつあると報道され、両国とも利下げを開始、追加利下げも示唆している状況です。

日々の為替の動きと金利の動きに敏感に素早い決断を必要とするFXという商品性においては、今後の利下げの可能性はスワップの縮小を意味し、為替相場の下落はロングにしている場合の未実現損失を拡大させることになります。 それではオセアニア通貨はもう投資対象として魅力を失いつつあるということでしょうか?

外貨建ての投資はFXだけではありません。投資時間の異なる商品で比べてみると印象は変わってきます。
ここ1年くらいで見ると下落が著しく見えるこれらオセアニア通貨も、2~3年の流れで見ると「元に戻ってきた」、5年以上の流れの中ではまだ比較的高い水準といえます。
つまり見ようによってはかなり高値になっていたオセアニア通貨が下落してきたことで、「買い易い」レートになってきているとも言えるわけです。(もちろんまだ下落する可能性は充分にありますが...)
中長期的に見て、どういう商品であればうまみがあるのかを考えてみましょう。
● 為替は下落、もしくは引き続き下落の見込み
● 金利も引き下げられる可能性

投資のセオリーの一つですが、経済の成長速度が失速気味になる=金利が下落すると予想されるときは金利が下がりきる前に長期で固めるほうが、より投資効率が良いとされています。
であれば、今の金利で数年固められる、今の為替で買うことができるという債券などはバランスのよい商品といえるでしょう。
数年後満期がきたときに為替がまだ弱い、もっと下落しているようであれば、そのまま外貨で保有し、新たにその通貨建ての債券に投じるなど外貨のまま増やしていけばよいのです。

相場が良くないときも、あまり悲観的にならず、そのときに市場状況にあった商品を探してみるようにしてみましょう。

現在取り扱い中のオセアニア通貨建ての債券は>>>
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2008/news808t.htm
廣澤 知子
マネックス証券 
シニア・フィナンシャル・アドバイザー