8月相場入りとなった先週の日経平均の動きをローソク足で見ると5営業日のうち4日が陽線で相場が上向きつつあることが見て取れる。先週末発表された米国の雇用統計で雇用者数が増加、米国の長期金利も上昇し景気敏感株中心に買われた流れを東京市場でも引き継ぐだろう。
今週の日経平均は2万8000円の大台を試す展開か。ただその水準には上から下降してくる25日線をクリアする必要がある。2万8000円目前で頭を抑えられると相場のムードも悪化しよう。今週は4営業日でお盆休みも重なるため、機関投資家の売買は低調だろう。市場エネルギーの不足で25日線を抜けない可能性も見ておきたい。ただし、よく言っていることだが「閑散に売りなし」である。下値も限定的である。
引き続き決算発表が佳境を迎える。先週はトヨタ(7203)、ソニー(6758)、任天堂(7974)といった大所の発表が相次いだが、今週の目玉は10日のソフトバンクG(9984)と12日のリクルート(6098)だ。
機関投資家の売買は低調でも、個人投資家はそうではないかもしれない。お盆休みでもコロナで帰省も旅行も外出も控えるひとが多く、却って相場に取り組む時間が増えるのではないか。その意味で新興市場に注目したい。今週は新興市場の主力銘柄の決算発表が目白押しとなる。
10日にGMOフィナンシャルゲート(4051)、ワークマン(7564)、12日に日本マクドナルドHD(2702)、メルカリ(4385)、そーせいグループ(4565)、13日にフリー(4478)、メドレー(4480)、ウェルスナビ(7342)など。
東証マザーズ指数は先週2か月半ぶりの安値をつけたが、好業績銘柄には買いが入っており、主力銘柄の決算次第で相場が底入れするきっかけとなるか注目だ。
指標・イベントは10日に7月景気ウォッチャー調査、11日に7月工作機械受注、13日に8月限オプションのSQなど。なんといっても注目は11日に発表される米国の消費者物価指数(CPI)7月分。前回の6月のCPIは市場予想を上回る前月比0.9%上昇と2008年以来の大きな伸びを記録し、インフレ懸念が再び台頭、金利上昇と株安につながった。今回市場のコンセンサスは0.5%の上昇だが果たしてどうか。夏休みで市場が薄くなりがちだけに波乱には備えたい。