アマゾン・ドットコム(AMZN)決算:一株利益は15.12ドルで市場予想を上回る
企業概要
アマゾン・ドットコムは、主要なオンライン小売業者で、収益で最大規模のeコマース企業である。2020年度の売上高は3,860億ドル、総取引額(GMV) は推定4,820億ドルである。売上高に占める割合は、小売関連が約83%、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のクラウド・コンピューティング、ストレージ、データベース、その他サービスが12%、広告や提携クレジットカード契約サービスが6%となっている。2020年度のAWS以外の売上高では、ドイツ、英国、日本など米国外が27%を占める。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比27%増の1,130.8億ドル(市場予想は1150.6億ドル)
★1株当たり利益・・・15.12ドル(市場予想は12.28ドル)
第3四半期ガイダンス
★売上高・・・1,060-1,120億ドル(市場予想は1187億ドル)
★営業利益・・・25-60億ドル(市場予想は81.1億ドル)
2021年4-6月期決算は売上高が前年同期比27%増の1,130億8,000万ドル(約12兆3,000億円)、最終利益が48%増の77億7,800万ドルだった。新型コロナウイルス禍からの経済の正常化に伴い7-9月期に主力のネット通販事業の成長が減速する見通しを示したことで、7月29日の米国市場の時間外取引では一時7%超安くなった。
今後の株価見通し
アマゾンの四半期売上高が予想割れとなるのはまれ。しばらく底値模索の動きとなろう。
ザイリンクス(XLNX)決算:一株利益は83セントで市場予想を上回る
企業概要
ザイリンクスは、1984年に設立され、FPGA(Field Programmable Gate Array)で最大級の市場シェアを有する。同社のチップは、通信、データ処理、産業、家電、自動車市場のさまざまなデバイスの性能に重要な役割を果たす。同社は、チップの設計および販売を手掛けるが、製造は、台湾マニュファクチャリング・セミコンダクター・カンパニー(TSMC)など社外のファウンドリー(半導体受託生産会社)に委託している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比21%増の8.79億ドル(市場予想は8.61億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・83セント(市場予想は75セント)
第1四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。
今後の株価見通し
同社株は現在、下値を固め徐々に上値をうかがう動きとなっている。145ドル超えから、155ドルを目指そう。
サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック(TMO)決算:一株利益は5.6ドルで市場予想を上回る
企業概要
サーモ・フィッシャー・サイエンティフィックは、分析機器や研究用機器、診断用消耗品、ライフサイエンス試薬などの販売を手掛ける。分析テクノロジー(内部取引を含む売上高の約17%を占める)、特殊診断薬(同15%)、ライフサイエンスソリューション(同36%)、および、研究用製品・サービス(同40%)の4部門を通じて事業を展開している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比34%増の92.73億ドル(市場予想は87.23億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・5.60ドル(市場予想は5.41ドル)
2021年通期ガイダンス
★売上高・・・359億ドル(従来予想は356億ドル、市場予想は356.5億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・22.07ドル(従来予想は21.97ドル、市場予想は21.02ドル)
第2四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。2021年度通期ベース売上高ガイダンスを引き上げ、予想を上回った。同調整済みEPSガイダンスを引き上げ、予想を下回った。
今後の株価見通し
成長は加速する公算が大きく、株価は引き続き上昇しよう。
サービスナウ(NOW)決算:一株利益は1.42ドルで市場予想を上回る
企業概要
サービスナウは、さまざまなビジネス工程を構築し自動化するための製品を備えたクラウド・アプリケーション(ソフトウェア・アズ・ア・サービス/SaaS)を提供する。企業向けのIT機能の開発に特化している。ITサービス管理(ITSM)アプリケーションから事業を始め、IT機能を拡充した後、近年では、自社のワークフロー自動化ロジックを活用し、カスタマー・サービス、人事管理サービス、セキュリティ運営サービスなどITを超えた機能分野へと事業を拡大している。また、アプリケーション開発のためのクラウドベースのプラットフォーム(PaaS)も提供している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比32%増の14.1億ドル(市場予想は13.6億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.42ドル(市場予想は1.21ドル)
第2四半期の売上高、調整済みEPS、ビリングの伸び率は全て予想を上回った。これを受け、同社株は引け後1%程度上昇している。
今後の株価見通し
ドラッグ&ドロップで直感的に操作できるビジュアルタスクボードで、業務の優先度付けや割り当てを処理できるわかり易さが評判となっており、ITSM(ITサービスマネジメント)ベンダー比較では市場リーダーとして評価されている。今回の決算でも、増収率、ビリングスの伸び率など、相変わらず高い。
今回の好決算を受け、600ドル超えから、750ドルを目指す動きとなろう。
クアルコム(QCOM)決算:一株利益は1.92ドルで市場予想を上回る
企業概要
クアルコムは、ワイヤレス(無線通信)技術を開発しライセンスを供与している。また、モバイル端末向けチップセットの設計も手掛ける。主要な特許技術であるCDMA(符号分割多元接続)およびOFDMA(直交周波数分割多元接続)は、3G/4G移動通信システムのバックボーン・ネットワークとなる無線通信の標準技術となっており、保有する知的財産は事実上すべて無線通信機器メーカーとライセンス契約が結ばれている。また、5Gネットワーク・テクノロジーでも市場のリーダー的地位を有する。同時に、世界最大のワイヤレスチップベンダーであり、高性能モバイルを製造するほぼ全ての企業に最先端のプロセッサーを供給している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比63%増の80.0億ドル(市場予想は75.7億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.92ドル(市場予想は1.69ドル)
第4四半期(7月-9月期)ガイダンス
★売上高・・・84-92億ドル(市場予想は85.0億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・2.15-2.35ドル(市場予想は2.07ドル)
4-6月期決算(第3四半期)は、1株利益、売上高とも予想を上回った。5Gのネットワークとスマホの新機種に対する需要が旺盛で、同社への受注も大幅に増えた。第4四半期に関しても強気な見通しを示している。
今後の株価見通し
2021年7月29日の引け後の時間外取引では、146ドル台で推移している。