東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて3日続伸となりました。78円高の27,911円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分余りで169円高の28,002円まで上昇した後一旦伸び悩みましたが、再び上げ幅を広げると11時に202円高の28,036円まで上昇しました。しかし、節目の28,000円を小幅に上回ったところで上値が押さえられると上げ幅を縮め98円高の27,932円で前場の取引を終えました。121円高の27,955円でスタートした後場の日経平均は13時30分過ぎに167円高の28,000円まで上昇した後やや上げ幅を縮めると結局136円高の27,970円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。

2.個別銘柄等

コーエーテクモホールディングス(3635)が4.6%高となりました。第1四半期の決算を発表し新作家庭用ゲームソフトが好調だったほかモバイルゲームの提供地域を拡大したことも寄与したことで営業利益が前年同期比で2.2倍の97億円となったことや、上期の営業利益の見通しを100億円から120億円に上方修正したことで大幅高となりました。トリドールホールディングス(3397)も6.6%高となり年初来高値を更新しました。讃岐うどん専門店の丸亀製麺の英国1号店を首都ロンドンに開業し、欧州大陸でも出店を本格化させる計画だと伝わったことが材料視されました。ステンレス鋼線を主力とする日本精線(5659)も9.4%高となり年初来高値を更新しました。第1四半期の決算を発表し自動車関連や建材用途など幅広い製品の販売が想定を上回っていることから通期の営業利益の見通しを35億円から42億円に引き上げたことで買いを集めました。

一方で楽天グループ(4755)が7.3%安となりました。米格付け会社のS&Pグローバル・レーティングが楽天グループの長期発行体格付けをトリプルBマイナスから投機的水準となるダブルBプラスに引き下げたことで携帯電話事業の基地局設置へ向けた先行投資が財務基盤を悪化させていることが改めて意識されました。スタンレー電気(6923)も3.7%安となり年初来安値を更新しました。新型コロナウイルス禍で急減した自動車や二輪車の生産台数が日本や米州などで持ち直し車載ランプの販売が伸びたことなどから第1四半期の営業損益が黒字に転換しましたが、上期予想に対する進捗率が4割強に止まり5割に届かなかったことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は136円高となりました。決算への期待から昨日の米国市場が5日続伸となり主要3指数が揃って史上最高値を先週末に続いて更新したことから買いが優勢となりました。しかし、昨日同様に節目の28,000円を小幅に上回ったところでは伸び悩みました。そのため28,000円を超えたところでの上値の重さが昨日に続いて意識されそうで、明日以降も買いが優勢となった場合には28,000円を上回ってどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表が先週からスタートしていますが本日も引け後に信越化学工業(4063)や三菱自動車工業(7211)などが決算発表を行うほか、27日の米国でもグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)やアップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)