東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて大幅続伸となりました。日経平均は442円高の27,990円で寄り付くと取引開始から15分で488円高の28,036円まで上昇しましたが、節目の28,000円を小幅に上回ったところで上値が押さえられると上げ幅を縮め383円高の27,931円で前場を終えました。
340円高の27,888円でスタートした後場の日経平均は365円高の27,913円まで上昇した後14時40分前に238円高の27,786円まで上げ幅を縮めましたが、その後やや戻すと結局285円高の27,833円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。
2.個別銘柄等
東レ(3402)が5.2%高となりました。米中の経済回復で自動車や家電向け樹脂などが好調で4-6月期の本業のもうけを示す事業利益が前年同期の2.8倍の約350億円だったと伝わったことで大幅高となりました。良品計画(7453)も4.3%高となりました。2024年8月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画を公表し、日本や中国を中心に生活圏への出店を加速する方針などを示したことが材料視されました。
野村不動産ホールディングス(3231)も一時5.9%高となりました。物件売却が進み都市開発部門が好調だったことなどから4-6月期の純利益が前年同期比2.1倍の186億円となり第1四半期として過去最高となったことが好感されました。東京製鉄(5423)も9.3%高となりました。第1四半期決算を発表し世界各地で鋼材価格が高値で推移するなかで実施している製品値上げが夏以降に本格的に浸透し採算性が上向くことなどから通期の純利益の見通しを110億円から190億円に上方修正したことで急伸しました。
暗号資産交換業者に出資するセレス(3696)も6.5%高となりました。米アマゾン・ドット・コム(AMZN)が暗号資産のビットコイン決済を受け入れることを検討していると伝わったことでビットコインが大幅高となったことから買いを集めました。ジャスダック市場では太陽光発電設備を開発するウエストホールディングス(1407)も3.1%高となりました。経済産業省が公表した新しいエネルギー基本計画の原案で2030年度は総発電量のうち太陽光を含む再生可能エネルギーで36-38%を賄うとの目標が示されたことで買いが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は285円高となりました。日本市場が休場中の米国市場が続伸となり先週末に主要3指数が揃って史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。200日移動平均線(27,735円)を上回ったことで下値への警戒感は大きく後退しそうですが、節目の28,000円を小幅に上回ったことで伸び悩むと中国ネットサービスのテンセントが大幅安となり香港株のハンセン指数や中国の上海総合指数が大きく下げたこともあって上げ幅を縮めました。そのため28,000円近辺での上値の重さが意識されそうですが、明日以降も買いが優勢となった場合には28,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
なお、先週から決算発表がスタートしていますが本日も引け後に日東電工(6988)や富士通ゼネラル(6755)などが決算を発表する予定で、26日の米国でも電気自動車のテスラ(TSLA)などが決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)