東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて6日ぶりに反発しました。日経平均は358円高の27,747円で寄り付くと9時40分過ぎに494円高の27,882円まで上昇しましたが、11時ごろから急速に伸び悩むと前引け5分前に126円高の27,514円まで上げ幅を縮め135円高の27,523円で前場を終えました。

175円高の27,563円でスタートした後場の日経平均は直後に192円高の27,580円まで上昇した後14時前に49円高の27,438円まで弱含みましたが、その後持ち直すと結局159円高の27,548円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

スズキ(7269)が3.8%高となりました。トヨタ(7203)とダイハツ工業、スズキの3社が本日の15時30分から共同会見を開くと発表したことで思惑的な買いが入り後場に一段高となり一時は7.3%上昇する場面もありました。AGC(5201)も一時3.4%高となりました。医薬品の製造開発受託が好調だったことや、東南アジアでインフラ整備が活発化し上下水道管や電線の被覆などに使う塩ビ樹脂の販売が伸びたことなどから2021年1-6月期の営業利益が900億円前後と前年同期の4.4倍になったと伝わったことで買いが優勢となりました。

NOK(7240)も5.8%高となりました。自動車生産の回復を受けてオイルやガソリンなどの漏れを防ぐオイルシールやオーリングといった部品の販売が想定以上に伸びることから通期の営業利益の見通しを225億円から330億円に上方修正したことで買いを集めました。調剤薬局大手のクオールホールディングス(3034)も3.6%高となりました。在宅医療や介護施設向けに宅配の専門店舗を年内に10店出すと伝わったことが材料視されました。

また、投資判断や目標株価の引き上げに反応したのがミネベアミツミ(6479)や三井ハイテック(6966)で、ミネベアミツミは目標株価の引き上げを受けて一時4.1%高となったほか、三井ハイテックも投資判断と目標株価が引き上げられたことを受けて6.8%高となっています。一方で第一屋製パン(2215)が販管費等のコスト削減の観点から株主優待制度を廃止すると発表したことから5.9%安となり年初来安値を更新しました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は159円高となりました。昨日の米国市場が前日に大きく下げた反動で幅広い銘柄に買いが入り大幅反発となったことで買いが優勢となりました。しかし、一時は500円近く上昇し200日移動平均線(27,712円)を上回りましたが、上げ幅を縮めると200日移動平均線を下回って取引を終えました。明日から4連休ということもあって朝方の買い一巡後に伸び悩むのは当然の展開ともいえますが、5日間で1,300円以上下げた後の反発としては上値が重かったといえます。

来週は決算発表が徐々に本格化しますが、そうしたなかで200日移動平均線を回復しさらに戻りを試せるかがポイントとなりそうです。なお、本日も引け後には日本電産(6594)やオービック(4684)などが決算を発表する予定で、21日の米国でもコカ・コーラ(KO)やジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)