【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,987.02  △53.79 (7/15)
NASDAQ: 14,543.13  ▼101.82 (7/15)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。好材料が出た銘柄や市場予想を上回る決算を発表した一部の銘柄が買われダウ平均は上昇しましたが、ハイテク株に売りが出てS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は下落しました。8ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に170ドル安まで下落した後持ち直すとしばらく前日終値を挟んで小幅に揉み合いましたが、引けにかけて買いが優勢になると結局53ドル高の34,987ドルで取引を終え続伸となっています。一方でS&P500株価指数が14ポイント安の4,360ポイントと反落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も101ポイント安の14,543ポイントとなり3日続落となっています。

2.経済指標等

7月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数は43.0と前月から上昇し市場予想を上回りました。一方で7月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は21.9と前月から低下し市場予想も下回りました。6月の米鉱工業生産指数も前月比0.4%上昇に止まり市場予想を下回りました。設備稼働率も75.4%に止まり市場予想を下回っています。さらに6月の米輸入物価指数も前月比1.0%上昇に止まり市場予想を下回りました。6月の米輸出物価指数は前月比1.2%上昇し市場予想と一致しています。先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比2万6000件減の36万件と改善し市場予想と一致しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や生活必需品、金融などの6業種が上げ、公益事業は1%を超える上昇となりました。一方でエネルギーや情報技術、一般消費財・サービスなどの5業種が下げ、エネルギーは1%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではハネウェル・インターナショナル(HON)がナスダック100指数への採用が決まったことで2%以上上げ上昇率トップとなりました。また、決算で1株利益が市場予想を上回ったユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も1%を超える上昇となり、ハネウェル・インターナショナルとユナイテッドヘルス・グループの2銘柄でダウ平均を70ドル近く押し上げています。一方でセールスフォース・ドットコム(CRM)が2%安となり、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)とインテル(INTC)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も1%以上下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、バイオ製薬のバイオジェン(BIIB)が7%近く下げました。エーザイ(4523)と共同開発したアルツハイマー型認知症治療薬を米国の大手病院が相次いで使用しない方針を示したと伝わったことで売りがかさみました。さらに決算が市場予想を下回ったことで半導体受託生産大手の台湾のTSMC(TSMC)の米預託証券(ADR)が5%を上回る下落となったことから半導体株が安く、エヌビディア(NVDA)が4%を超える下落となったほか、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とマイクロン・テクノロジー(MU)も2%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い1.30%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいことから下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。また、金融政策に変更はないとみられますが本日は昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)