【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,933.23  △44.44 (7/14)
NASDAQ: 14,644.95  ▼32.70 (7/14)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言で金融緩和政策を変更する前には景気回復が一段と進む必要があるとの見解を示したことで緩和的な金融政策が長期化するとの見方が強まり反発しましたが、ナスダック総合株価指数は半導体株などハイテク株の一角に売りが出て続落となりました。ダウ平均は32ドル高でスタートすると直後に180ドル高まで上昇しましたが、買いが続かず上げ幅を縮めると昼前に下落に転じました。しかし、61ドル安で下げ渋ると持ち直し小幅高で推移すると結局44ドル高の34,933ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も5ポイント高の4,374ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は32ポイント安の14,644ポイントとなりました。

2.経済指標等

6月の米卸売物価指数(PPI)は前年同月比7.3%上昇し2010年11月以来の高い伸びとなり市場予想を上回りました。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は足元の経済活動について一段と強まり穏やかながら力強い成長をみせたとしています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや金融、ヘルスケアなどの6業種が下げ、エネルギーは3%近く下落しました。一方で生活必需品や不動産、公益事業などの5業種が上げ、生活必需品は1%近く上昇しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では部品納入企業に対して年内に9000万台分の新型iPhone向けの部品を生産するよう要請したと伝わったことでアップル(AAPL)が2%以上上げ上昇率トップとなり上場来高値を更新したほか、コカ・コーラ(KO)も2%を超える上昇となっています。一方で原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)が2%近く下げ下落率トップとなり、キャタピラー(CAT)とボーイング(BA)も1%を超える下落となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、バンク・オブ・アメリカ(BAC)が決算で売上高に相当する純営業収益が市場予想に届かなかったことで2%を上回る下落となりました。ウェルズ・ファーゴ(WFC)は決算が市場予想を大幅に上回る増収増益となったことで4%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.08%低い1.34%となりました。ドル円は110円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか本日は日本時間の11時に中国で4-6月期のGDPなど数多くの経済指標が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)