東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて4日ぶりに大幅反発となりました。472円高の28,412円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ安値に上げ幅を広げると前引け間際に654円高の28,595円まで上昇し640円高で前場を終えました。620円高の28,561円でスタートした後場の日経平均は28,500円台で小動きとなり結局628円高の28,569円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

安川電機(6506)が6.5%高となりました。第1四半期決算を発表し経済正常化で製造業の設備投資需要が回復し、工作機械や半導体製造装置などで使うサーボモーターや産業用ロボットを中心に想定以上の受注が続いていることなどから通期の営業利益を420億円から市場予想を上回る540億円に引き上げたことが好感されました。ファナック(6954)も6.6%高となりました。5月の機械受注統計で民間設備投資の先行指標である船舶・電力を除く民需の受注額が前月比7.8%増と市場予想を上回る伸びとなったことで買いを集めました。工作機械大手のオークマ(6103)や直動システム大手のTHK(6481)も高く、オークマが5.4%高、THKも6.0%高となりました。

ビックカメラ(3048)も4.7%高となりました。利益率の高いプライベートブランド(PB)商品の販売が好調だったことなどから第3四半期の営業利益が前年同期比で2倍となったことで大幅高となりました。ライフコーポレーション(8194)も7.1%高となりました。緊急事態宣言で食品や日用品の買いだめ需要が膨らんだ昨年の反動で第1四半期の営業利益が前年同期比で小幅な減益となりましたが、通期予想に対する進捗率が44.3%となったことが評価されました。

一方でエーザイ(4523)が一時4.6%安となりました。米食品医薬品局(FDA)のウッドコック局長代行がエーザイと米バイオ製薬バイオジェンが開発したアルツハイマー型認知症治療薬の承認を巡り手続きに不備がなかったか上部機関の米保健福祉省に調査を求めたと報じたことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は628円高となりました。米長期金利の低下が一服したことで景気減速懸念が後退し景気敏感株を中心に買い戻しが入ったことで先週末の米国市場が大幅反発となり、主要3指数が揃って史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。

また、先週末に200日移動平均線を割り込む水準まで一時下げ、その後急速に下げ渋ったことで調整一巡感が出ていたことや、先週末に決算を発表した安川電機にマーケットが好反応を示したことで今月下旬からスタートする3月決算企業の第1四半期決算発表への期待が膨らんだこともあって大幅高となりました。

節目の28,500円を回復しましたが、本日の堅調な地合いをこのまま維持し薄くなっている一目均衡表の雲を明日以降一気に上に抜けることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)