【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,421.93 ▼259.86 (7/8)
NASDAQ: 14,559.79 ▼105.28 (7/8)
1.概況
米国市場は世界で新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず景気回復が遅れるとの見方が強まり反落となりました。112ドル安でスタートしたダウ平均は大きく下げ幅を広げ536ドル安まで下落しましたが、切り返すと昼過ぎに190ドル安程度まで持ち直しました。しかし、その後再び下げ幅を広げると結局259ドル安の34,421ドルで取引を終え反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も105ポイント安の14,559ポイントとなり5日ぶりに反落となりました。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2000件増の37万3000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも金融が2%近く下落したほか、資本財・サービスと素材、コミュニケーション・サービスも1%以上下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が下げました、そのなかでもトラベラーズ(TRV)が2%を超える下げとなり下落率トップとなったほか、ゴールドマン・サックス(GS)とアメリカン・エキスプレス(AXP)も2%以上下げています。一方でボーイング(BA)が2%以上上げ上昇率トップとなりました。ダウ平均構成銘柄以外では、米政権が鉄道や海運業界で進む経営統合や料金つり上げへの対策を打ち出すと伝わったことで鉄道株が売られ、カンザスシティー・サザン(KSU)が8%近く下げ、ノーフォーク・サザン(NSC)も7%余り下落しました。住宅のDRホートン(DHI)も投資判断の引き下げを受けて4%以上下げています。また、長期金利の低下を受けて銀行株が安く、バンク・オブ・アメリカ(BAC)とウェルズ・ファーゴ(WFC)が2%を超える下落となり、シティグループ(C)も2%近く下げました。さらに中国政府の規制強化を懸念した売りが続き中国の配車アプリのディディ(DIDI)が6%近く下げ、アリババ集団(BABA)も4%近く下落しました。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い1.29%となりました。ドル円は円高に振れ109円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の28,000円を割り込みそうですが、朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)