東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続落となりました。日経平均は34円安の28,332円で寄り付くと直後に昨日とほぼ変わらずの28,366円まで持ち直しましたが、戻し切れないと下げ幅を広げ11時前に167円安の28,199円まで下落し154円安の28,212円で前場を終えました。一段安となり198円安の28,168円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに242円安の28,124円まで下落した後13時50分過ぎに157円安の28,209円まで戻しましたが、その後引けにかけて下げ幅を広げると結局248円安の28,118円で取引を終え安値引けとなっています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

ダイキン工業(6367)が3.7%高となりました。電気自動車の航続距離を最大5割伸ばせるという電気自動車のエアコンに使う省エネ性能の高い冷媒を開発したと伝わったことが材料視されました。ユーグレナ(2931)も内航船舶や鉄道建設現場におけるバイオ燃料の利用促進に向けて鉄道建設・運輸施設整備支援機構とバイオ燃料利用について基本合意書を結んだと発表したことから3.5%高となっています。

一方でイオン(8267)が0.8%安となりました。総合スーパー部門で在庫や値引き率の管理を強め利益率を改善させたことなどで最終損益が5四半期ぶりに黒字に転換したことで一時は4.6%高まで上昇しましたが、買いが続かず上げ幅を縮めると後場に入って売りが優勢となりました。ドラッグストア最大手のウエルシアホールディングス(3141)も4.6%安となりました。新型コロナウイルスの影響で消毒液やハンドソープなどの高付加価値品のまとめ買いがあった前年の反動が出たことで第1四半期の営業利益が前年同期比で30.8%減の大幅な減益となったことが嫌気されました。ヨンドシーホールディングス(8008)も7.1%安となりました。第1四半期の決算を発表し新型コロナウイルスの感染拡大で4月下旬に緊急事態宣言が再発令され客数が想定以上に減少したことなどから通期の業績予想を下方修正したことで売りがかさみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は248円安となりました。昨日の米国市場は上昇しS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しましたが、国内で新型コロナウイルスの新規感染者数が増加傾向にあり東京都で緊急事態宣言が再発令される見通しとなったことが相場の重石となり売りが優勢となりました。また、株価指数連動型上場投資信託(ETF)の分配金捻出に伴う売りも需給面の悪化要因として懸念材料になったとみられ、一目均衡表の雲を下に抜け、節目の28,500円を割り込んだ翌日に安値引けと弱い終わり方となったことから下値への警戒感が引き続き意識されそうです。

なお、小売り企業の決算発表が本格化していますが、本日も引け後にローソン(2651)やセブン&アイ・ホールディングス(3382)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)