東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。日経平均は380円安の28,262円で寄り付くと直後に481円安の28,161円まで下落しましたが、切り返すと持ち直し10時40分に208円安の28,434円まで戻し279円安の28,363円で前場を終えました。

252円安の28,390円でスタートした後場の日経平均は14時10分過ぎに391円安の28,252円まで下落した後引けにかけて下げ幅を縮めると結局276円安の28,366円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

キユーピー(2809)が3.7%安となりました。上期決算を発表し下期に外食店向けなど業務用の調味料販売が回復することなどから通期の営業利益の見通しを264億円から270億円に上方修正しましたが、市場予想に届かなかったことで一時は8.5%安となる場面もありました。食品スーパーのマルエツやカスミなどを展開するユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222)も3.4%安となり年初来安値を更新しました。抑制していたチラシ配布を新型コロナウイルス前の水準に戻しつつあることや、フルセルフレジ導入など店舗投資の費用が膨らんだことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で64.8%減と大幅な減益となったことが嫌気されました。また、米長期金利の低下を受けて生保株が安く、第一生命ホールディングス(8750)が3.9%安となったほか、T&Dホールディングス(8795)も4.2%安となりました。

一方でヤマトホールディングス(9064)が一時4.1%高となり年初来高値を更新しました。6月の宅配便の取扱実績が前年同月比で12.6%増と高い伸びとなったことが好感されました。カジュアル婦人服チェーンのハニーズホールディングス(2792)も12.0%高となり年初来高値を更新しました。2021年5月期の営業利益が前期比で56.5%増と大幅な増益となったうえ、新型コロナウイルス禍の影響で振るわなかった店舗販売がワクチンの接種効果などで回復することなどから2022年5月期の営業利益も19.5%増となる見通しを発表したことで買いを集めました。わらべや日洋ホールディングス(2918)も新型コロナウイルス禍で前年に落ち込んだコンビニ向けのおにぎりの供給が上向いたことなどから第1四半期の営業利益が前年同期比で6.3倍と急回復したことで7.8%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は276円安となりました。昨日の米国市場で景気敏感株に利益確定の売りが出てダウ平均が200ドルを超す下落となったことから売りが優勢となりました。朝方の売り一巡後に下げ幅を縮めたことで下げ渋ったともいえますが、上値の重さが意識されるなかで一目均衡表の雲の下限(28,614円)や節目の28,500円を下回ったことで下値への警戒感が意識されそうです。

なお、小売企業の第1四半期決算発表が本格化していますが本日も引け後にイオン(8267)やウエルシアホールディング(3141)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の8日午前3時に6月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)