昨日はすごい大雪でしたね。東京でこれだけまとまった雪を見たのは本当に久しぶりです。

個人的には何もかも真っ白に風景を変えていく雪が降るのを見るのは好きで、その翌日にカラリと晴れた青空の下で雪が白く光っているのもまたキレイで、これまでの東京とどこか違うような気分になってしまいます。(交通網等の混乱や足元の危険性は別にして。被害にあわれた方、能天気ですみません・・・)
非日常的、突発的なイベント(出来事)はこれまでの流れを断ち切る役割を担うことがあります。そのイベントを境に世の中がすっかりと変わってしまうことすらあります。

さて、昨年後半からサブプライム問題をはじめ、マイナスに響くニュースが続き、皆様がご存知の通り世界的に株式市場が低迷してしまっています。個別に見れば業績が良くなっている企業、今後期待できる分野、などなどがあるにも関わらず、全体として悲観的なムードが漂ってしまっていると言えるでしょう。そんな中で、先週末のマイクロソフトによる米ヤフーの大型買収提案の話はインパクトがありました。

これまでの市場のムードや相場観を断ち切り、転換点になってくれるかどうかはもちろんまだわかりません。でも市場心理(センチメント)に影響を与えていることは間違いなく、本日の日本株市場も素直に反応していますよね。
市場は様々な要因で変動しますが、参加者は「人」ですからセンチメントは大きな要因となってきます。

早速この買収提案に対しては、グーグルから意見が出ていますし、米ヤフーはマイクロソフトからの買収提案に対抗するためにライバルであるグーグルと提携をすることを視野に入れているなど、米IT業界を牽引する(つまりは世界中のIT業界に影響を与える)巨大企業が三つ巴になって、まだまだ大きな変化を予感させます。

サブプライム問題は根本的に片付いたわけではありませんが、金融機関に与えた影響も(大きな損失ではありましたが)数値として公表されてしまえば、収束感は出てきます。
「次」の注目イベントが前向きであれば、あるほど市場全体に積極性が出てくるきっかけになると思います。

ただ、できれば個人投資家は、ニュースで一喜一憂する市場に追随していこうとすることには冷静になってほしいと思います。市場の変動に後から乗っていこうとすると天井付近で買い、底付近で売り、となってしまいがちなもの。その被害者には個人投資家がなりがちです。

どんなに百戦練磨のプロであっても、市場の転換点を判断するのは大変難しいものです。であれば個人投資家がニュースを見るたびに右往左往していては流れを見誤りやすくなることは当然です。

市場に敏感になることは投資を行う上でとても大切なことではありますが、長期投資を考えるのであれば、日々の変動ではなく大きなトレンドを捉えていけるような市場の見方をしたいものです。
株式関連のニュースはもちろんですが、株式以外の市場(金利や為替、原油や金など)や政治情勢や要人の発言など、ほかの相場変動要因にもしっかりと目を配っていくようにしたいですね。
そして「トレンドは本格的に変わった!」と考えたときは、すぐに行動に移すようにしましょう。「決めたら行動」も投資を行う上では大切ですよ。
廣澤 知子
マネックス証券 マーケティング部 マネジャー
シニア・フィナンシャル・アドバイザー