【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,433.84  △237.02 (6/25)
NASDAQ: 14,360.39  ▼9.32 (6/25)

1.概況

先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。好決算を発表したナイキ(NKE)が急伸したことや株主還元策強化への期待から金融株が買われたことでダウ平均とS&P500株価指数が続伸となり、S&P500株価指数は史上最高値を更新しましたが、長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出てナスダック総合株価指数は5日ぶりに反落となりました。131ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに260ドル高程度まで上昇した後一旦伸び悩みましたが、取引終盤に上げ幅を広げると一時は304ドル高まで上昇しました。その後引けにかけて上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局237ドル高の34,433ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も14ポイント高の4,280ポイントとなり前日に続いて史上最高値を更新しています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は9ポイント安の14,360ポイントとなっています。

2.経済指標等

6月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は85.5と速報値から下方修正され市場予想も下回りました。5月の個人消費支出(PCE)も前月比変わらずとなり市場予想を下回りました。米個人所得は前月比2.0%減に止まり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術を除く10業種が上げ、金融と公益事業が1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったナイキが目標株価の引き上げが相次いだこともあり15%を超える上昇となりダウ平均を1銘柄で160ドル近く押し上げました。また、米連邦準備理事会(FRB)が新型コロナウイルスの感染拡大で米銀行大手に課していた株主還元の制限を6月末で解除すると発表したことで株主還元策強化への期待からウェルズ・ファーゴ(WFC)が2%を超える上昇となり、バンク・オブ・アメリカ(BAC)も2%近く上げています。JPモルガン・チェース(JPM)も1%高となっています。一方でキャタピラー(CAT)が1%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。ボーイング(BA)も1%近く下げ、ダウ平均構成銘柄でキャタピラーに次ぐ下落率となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.03%高い1.52%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は先週末の米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか売りが優勢となった場合には日経平均が節目の29,000円を維持できるかがポイントとなりそうで、反対に買いが優勢となった場合には75日移動平均線(先週末時点で29,072円)を超えて上値を伸ばすことができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)