東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均はわずかに反発しました。日経平均は63円安の28,811円で寄り付くと取引開始から10分余りで116円安の28,758円まで下落しましたが、切り返すとプラスに転じ11時過ぎには60円高の28,935円まで上昇し45円高の28,920円で前場を終えました。8円高の28,882円でスタートした後場の日経平均は13時前に28円高の28,903円までやや上げ幅を広げましたが、伸び悩むとマイナスに転じ14時20分過ぎには40円安の28,834円まで下落しました。しかし、下げ渋ると引けにかけてわずかにプラスに転じほぼ横ばいの28,875円で取引を終えています。一方でTOPIXが小幅に下落となったほか、新興市場もまちまちで東証マザーズ指数が上昇、日経ジャスダック平均が下落となっています。

2.個別銘柄等

エーザイ(4523)が一時5.2%高となりました。米バイオジェン(BIIB)と共同で開発中のアルツハイマー型認知症の治療薬候補「レカネマブ」が米食品医薬品局(FDA)から画期的治療薬(ブレークスルーセラピー)の指定を受けたと発表したことで買いが優勢となりました。バイオマス発電大手のイーレックス(9517)も5.9%高となり年初来高値を更新しました。島津製作所(7701)が一部工場などでイーレックスグループが所有するバイオマスを燃料とした発電所の電力を使用すると発表したことが材料視されました。マザーズ市場ではメルカリ(4385)が8.5%高となりました。国内での取引が好調だったことに加え、スマホ決済サービスのメルペイで月々の支払い上限をあらかじめ設定する定額払いの利用が増加したことなどから2021年6月期の利益予想を上方修正し、上場以来初の黒字になる見通しとなったことが好感されました。

一方で住友林業(1911)が一時3.4%安となりました。公募増資などで最大371億円を調達すると発表したことで1株利益の希薄化や需給悪化を懸念した売りが優勢となりました。ヤクルト本社(2267)も4.2%安となりました。2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表し営業利益を2021年3月期比で40%増の610億円に引き上げるとしましたが、中期計画への期待感から足元で株価は上昇基調にあったこともあって一旦材料出尽くしとなり売りに押されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均はわずかに反発しました。昨日の米国市場でダウ平均が反落となったこともあって売りが先行しましたが、朝方の売り一巡後に下げ幅を縮めるとプラスに転じました。しかし、一目均衡表の雲の上限(28,935円)で上値が押さえられると伸び悩みほぼ横ばいで取引を終えています。一目均衡表の雲の上限を超えて買い上がるには支援材料不足といったところなのでしょう。底堅さをみせたことで明日以降の展開に期待したいところですが、まずは抵抗帯である雲を抜けることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の21時30分に米新規失業保険申請件数や5月の米耐久財受注額、1-3月期の米GDP確報値が発表されるほか、24日の米国ではナイキ(NKE)やフェデックス(FDX)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)