ドル円が110円台になってきました。久々の円高水準です。
ポンド円、ユーロ円も大きく下げています。

FXという商品が広く人気を博し始めたここ数年、比較的初心者にも利益を上げやすい相場環境であったといえます。
方向としては円安、円金利は限りなく低く、外貨のロング・円のショート(外貨を対円で買い持ち)にさえすれば、為替差益を得ることは容易で、かつ、どの通貨に対しても比較的まとまったスワップポイントを受け取ることができたからです。
(※ スワップポイントは通貨間の金利差から求められるため、金利差の大きさがスワップポイントの大きさに反映されます。高金利通貨を買い持ちにするとスワップポイントを受け取り、逆に低金利通貨を買い持ちにするとスワップポイントを支払うことになります。)

「FXは簡単に儲かる!」とばかりにレバレッジを大きくしていた方にとって、今回のような大幅な「下げ相場」は非常に苦しいものです。ハイリターンであるということは、同時に大きなロスにもつながる(ハイリスクである)ことをあらためて実感された方も多いかもしれませんね。

90年代初めの頃、95年のドル円史上最安値に向けてはひたすら「下げ相場」で、当時新人ディーラーで為替市場に参加した人は、ドル円相場は「ショートにすれば(売りから入れば)儲かる」という認識を刷り込まれたと言っていました。為替と付き合い始めた時期のトレンドがその人のディール・スタイルになり易いというのは言えるかもしれません。

「ショート」にする場合、前述した円金利の低さについては再認識が必要です。ロングであれば、日々小銭(?)稼ぎとなっていたスワップポイントを、逆に日々支払わなければならないことになります。
その上、為替が予想外に反転して為替差損を受けてしまうと、マイナス+マイナスという救われない状況となってしまうのです。
特に高金利通貨を対象にするときは十分気をつけましょう。
ショートは個人投資家には簡単ではない、というのが個人的には正直なところです。

さて、下げ相場においてリターンをあげるためにはどうしたらよいでしょうか?
1.上述の「ショート」にする。ただし(クロス円の場合)日々のスワップポイントがマイナスとなる
2.十分に下げきったところ(過去のチャートなどを元に自分自身でラインを設定)で「ロング」にする 長い目で見て「仕入れ時」と判断する
3.為替水準は関係なく「サヤ取り」をする

個人投資家にとって長い目で投資をするスタンスをぜひもってほしいと思いますので、2.の「下げたときは買うチャンス」という考え方も大切です。下げ止まりにちょうど買うことは、どんなプロにも難しいことですが・・・長期間のチャートなどを参考に自分なりに「買い時」「売り時」の目安をもっておくこともよいのではないでしょうか。

3.ですが、以前「リスクが少ない為替取引」として「裁定取引」を紹介しました。
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/archives/008185.html
ただ、このとき紹介した方法はタイミングがあえば確実性は高まるものの、なかなかちょうどよい「タイミング」に出会えないという問題があります。もう少し、可能性が高く、個人投資家でも行いやすい方法もありますが、紙面に限りがありますので、ご興味のある方は11月22日のオンライン・セミナーをご覧ください。
https://seminar.monex.co.jp/public/seminar/view/571

そこで詳しくお話しする予定です。

廣澤 知子
株式会社マネックス・ユニバーシティ 取締役副社長
http://www.monexuniv.co.jp/

「廣澤知子のやさしいマネー講座」バックナンバー一覧はこちら
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/archives/cat_37.html
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著書「金利をやさしく教えてくれる本」
http://www.monexuniv.co.jp/book/#kinri
投資についての様々な知識をチェックしませんか?ご好評につき期間延長!【マネー検定・オンライン検定実施中】
http://www.moneykentei.jp/event_o/index.html
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・・・為替保証金取引にあたっての留意事項・・・・・・・・・・・・・・・□主なリスク
・取引対象である通貨の価格(外国為替相場)の変動や各国市場金利の変動によ り、差し入れた保証金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。・当社およびカバー取引先(マネックスFXの場合には株式会社外為どっとコム 及び住友信託銀行株式会社、マネックスFXproの場合にはデンマークのサクソ 銀行(SAXO BANK A/S))の業務、財産状況等の信用状況の変化により、差し 入れた保証金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
・売却している通貨と買い付けている通貨の金利差調整額(スワップポイント) の受払いが日々発生しており、スワップポイントを支払うことにより損失 (元本欠損)が生じるおそれがあります。
□手数料等
・マネックスFX
取引通貨数量1,000〜9,000の場合には1,000通貨あたり100円の、同1万〜100万の場合には同50円の手数料がかかります。
・マネックスFXpro
取引金額(取引通貨数量×取引為替レート×円換算レート)の0.1%の取引手数料がかかります。
□委託保証金(為替保証金)
・マネックスFX
取引通貨の為替レートに応じて1,000通貨あたり5,000円〜20,000円の為替保証金が必要となります。
・マネックスFXpro
取引数量×中間レート(売りレートと買いレートの仲値)×5%の為替保証金が必要となります。
※為替保証金として預託できるのは全額現金のみとさせていただきます。□その他
・外国為替保証金取引は、少額の委託保証金(為替保証金)で多額の取引を行 うことができ、取引額が委託保証金(為替保証金)を上回る可能性がありま す。取引額の当該保証金に対する比率(レバレッジ比率)は、マネックスFX の場合には最大約15倍程度(149.99円で約定した場合)、マネックスFXproの 場合には約20倍程度となります。
・当社は、各通貨ペアごとにオファー価格とビッド価格を同時に提示し、お客 さまはオファー価格で買い付け、ビッド価格で売り付けることができます。 オファー価格とビッド価格には差額(スプレッド)があり、オファー価格は ビッド価格よりも高くなっています。
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・お取引にあたっては「契約締結前交付書面」で内容をご確認いただき、取引 の仕組みやリスク・手数料等についてご理解いただいたうえで、お取引して ください。
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