東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて5日ぶりに大幅反発となりました。日経平均は502円高の28,513円で寄り付くと直後に483円高の28,494円まで小幅に上げ幅を縮めましたが、直ぐに切り返すと9時30分過ぎには707円高の28,718円まで上げ幅を広げました。その後一旦伸び悩み9時50分過ぎに539円高の28,550円まで上げ幅を縮めましたが、再び上げ幅を広げると811円高の28,822円で前場を終えました。838円高の28,849円でスタートした後場の日経平均は14時前に884円高の28,895円まで上昇した後14時30分過ぎに797円高の28,808円までやや上げ幅を縮めたものの大きく押すことなく高値圏で推移すると引けにかけてやや上げ幅を広げ結局873円高の28,884円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

海運大手が大幅高となりました。商船三井(9104)がコンテナ船の荷動きと運賃が想定を超えて推移していることから通期の経常利益の見通しを1000億円から2200億円に上方修正したことから10.2%高となるなか、日本郵船(9101)や川崎汽船(9107)にも買いが波及し、日本郵船が10.3%高、川崎汽船も10.2%高となり、商船三井と川崎汽船は年初来高値を更新しました。ホームセンターのアークランドサカモト(9842)も5.9%高となりました。第1四半期の決算を発表し約100億円の固定資産売却益を計上することから通期の純利益の見通しを105億円から172億円に引き上げたことが好感されました。象印マホービン(7965)も7.6%高となりました。新型コロナウイルス感染拡大の長期化で巣ごもり需要が続き国内外で炊飯器やホームベーカリーの販売が伸びていることから通期の営業利益の見通しを57億円から67億円に上方修正したことで買いを集めました。

また、投資判断や目標株価の引き上げに大きく反応したのがスズキ(7269)や福山通運(9075)などで、スズキが投資判断と目標株価の引き上げを受けて7.4%高となり、福山通運も目標株価の引き上げを受けて6.9%高となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は873円高となりました。先週末に大きく下げた反動で景気敏感株を中心に買いが入り昨日の米国市場でダウ平均が586ドル高となったことから買いが優勢となりました。昨日に1,000円近くも下げた反動もあり上げ幅を大きく広げたことで一目均衡表の雲の下限(28,629円)や25日移動平均線(28,794円)を一気に上回ったことから昨日に高まった下値不安も大きく後退しそうですが、こうしたなかで明日以降も買いが優勢となった場合には一目均衡表の雲の上限(28,935円)を上に抜けることができるかがポイントとなりそうです。なお、今晩の米国ではパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の米議会下院での証言が予定されておりその発言が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)