今朝も金曜日のNYの株大幅安から東京が大幅続落になることは予想されていましたので、想定内であるとはいえ、「下げ」は心理的に気持ちよいものではありませんよね。
為替の大幅円高も、日本の通貨の価値が上がるということではありますが、日本にとっては通貨高=国益ではなく、輸出企業が多いため、円高は打撃となることが多く、それはまた株価下落につながるというスパイラルにはまってしまいがちです。
現在のこの状況に関して興味深い話を伺う機会がありました。
この日曜日にマネー検定(会場テスト)を行ったのですが、基調講演をしていただいた伊藤洋一氏(住信基礎研究所 主席研究員)と控え室でお話ししていたときです。
伊藤さんはここのところの相場の乱高下を短期的な相場変動としてではなく、10年ごとに起こる大きな世界経済変動の波であると捉えていらっしゃいました。
1987年・・・ブラックマンデー
1997年・・・アジア危機
2007年・・・サブプライム問題
もちろんその間にも世界経済を大きく動かす出来事、事件(たとえば2001年9月11日の同時多発テロなどは世界経済に大きなダメージを与え、かつその後の世界の動きを変えたともいえます。)はあるものの、純粋にマーケットへの打撃という意味では10年周期であるとのこと。
こんなときに投資家はどのように動くべきか、という話になったとき最も良いのはキャッシュ(現金・流動性資金)にすること、とおっしゃいました。大きく変動するマーケットは大幅に下がったところで買い、大きく値戻ししたときに売る、というチャンスがあることは事実ですが、それはプロも皆目指しているところ(プロは相場が動いてくれないと「商売」になりませんので)で、乱高下するマーケットでは個人は振り回される可能性が高くなります。
キャッシュにして投資をやめてしまえというのではなく、マーケットを追いかけず、「待ち」、ここぞというときに投資できるお金を保留しておくべき、ということです。
プロのディーラーでも達人は「待ち」が上手いといいます。あわてて相場を追いかけると結果は相場に振り回されてしまうということですね。
それでも荒れ相場に果敢に挑みたいときは、個人投資家は「へそ曲がり」になった方が良いとのこと。
皆がまだまだ上がると言っているときに「売り」、もうダメだ、ひどい暴落だ・・・と悲観調になっているときにはすかさず「買い」を入れるということです。
それができない場合はキャッシュにして静観すべし、ということでした。
なるほど、とは思っても、なかなかその通りには動けないのが人の弱いところでもあります。(相場好きはどうしても相場に乗りたいと思ってしまうものです。)
ただ少なくとも相場は必ず循環し、「これが最後の大相場」と思うような相場もまた再び廻ってくることはあるものです。急がず、焦らず、と心に念じて相場と向き合うようにしていきたいものですね。
最後に伊藤さんのお話で印象に残ったのは経済とマーケットはそれぞれ別の要因で動くものだ、という一言です。もちろん両者は互いに影響を与え合い、密な関係にあるのは事実です。でも、たしかにマーケットのスピード感や乱高下は経済で説明が付かないことも多々あります。マーケットは経済だけでは語れず、その裏にあるのが「何か」も見る努力が必要なのでしょう。
廣澤 知子
株式会社マネックス・ユニバーシティ 取締役副社長
http://www.monexuniv.co.jp/
「廣澤知子のやさしいマネー講座」バックナンバー一覧はこちら
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/archives/cat_37.html
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