東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に3日続落となりました。118円高の29,136円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分弱で14円高の29,032円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まると持ち直し89円高の29,107円で前場を終えました。66円高の29,084円でスタートした後場の日経平均は上げ幅を縮め13時頃にマイナスに転じるとその後昨日の終値を挟んで小幅に揉み合う展開となり結局54円安の28,964円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

エーザイ(4523)が5.9%高となり上場来高値を更新しました。自社開発した新型抗がん剤の開発と販売で米製薬大手のブリストル・マイヤーズスクイブ(BMY)と提携し契約一時金や開発の進捗に応じた収入で最大31億ドルを受け取ると発表したことで買いを集めました。また、投資判断や目標株価の引き上げに大きく反応したのが三井ハイテック(6966)やSUMCO(3436)で、三井ハイテックが投資判断や目標株価の引き上げを受けて11.0%高となり上場来高値を更新し、SUMCOも目標株価の引き上げを受けて3.2%高となっています。

一方で昨日の米国市場で長期金利が低下し利ざや縮小の懸念からウェルズ・ファーゴ(WFC)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)などの銀行株が大幅安となった流れを受けてメガバンクが軟調でした。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)と三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時2.8%安となったほか、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時2.4%安となりました。さらに国際商品市況の下落を受けて海運大手が安く、日本郵船(9101)が7.7%安、商船三井(9104)が5.7%安、川崎汽船(9107)が6.7%安となっています。商社株も安く、三井物産(8031)が3.7%安、住友商事(8053)も3.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は54円安となりました。昨日の米国市場で米長期金利の低下を受けてハイテク株に買いが入りナスダック総合株価指数は反発したことから買いが先行しましたが、寄り付きを高値に伸び悩むと後場に入って下落に転じました。最近は節目の29,000円を超えてくると上値が重くなるといった傾向が目立ちますが、本日も同様の展開となりました。そのため29,000円を超えたところでの上値の重さが改めて強く意識されそうで、こうしたなかで75日移動平均線(29,096円)を超えてさらに水準を切り上げることができるかが来週もポイントとなりそうです。なお、日銀は金融政策決定会合で大規模な金融緩和の維持を決めています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)