先週金曜日にeラーニング<マネックス・キャンパス>レベル1修了者モニターの会を行いました。
http://www.monexuniv.co.jp/news_media/2007/10/20071012.html
eラーニングである以上、通常受講生の方々とはお目にかかることはないため、こうした機会に直接お話しできたことは大変有意義でした。

初級向けに作成しておりますレベル1の修了者でいらっしゃるということで、投資初心者の方ばかりかと思っていましたら、株式投資暦が私なぞよりずっと長いような方もいらっしゃいました。
それではそうした方にレベル1が物足りなかったのかというと、「知っているつもりでいた分野でも知らないことが多くて勉強になりました」といううれしいお言葉をいただきました。

私たち(弊社)は「投資・運用」という言葉に、さまざまな金融商品を組み合わせ、効率の良いポートフォリオを作成していくこと、という意味を籠めているのですが、まだまだ世間では投資=株式投資 という方も多いかもしれません。(最近では投資=FXという方も増えてきましたね。)
金融商品は様々な特性があり、それぞれの商品ごとに専門用語も多岐に渡るため、満遍なく知識を得ようとするのはたしかに大変なことです。また、趣味的に一つのこと(方法)を突き詰めていく方がわかりやすいですし、ある種の達成感も伴いますから、楽しいとも思います。

お話を伺っていると、まさにその「わかりやすさ」が重要なポイントになっていて、株式のことは詳しく知っていらっしゃる方でも、投資信託における様々な名称の手数料、FXの保証金やレバレッジなどの仕組みの馴染みにくさなどが足かせとなっていて投資信託やFXなどの商品をなかなか購入できないとのことでした。
レベル1を修了されているので、分散投資をする方が効果的だということは理解されているのですが、商品ごとの知識にギャップがあるため、つい詳しく知っている商品に偏ってしまうということですね。

また、印象に残ったのはリスクについての受け取り方です。
株式投資をされているのですから株価の大きな価格変動リスクをとることには抵抗をもっていらっしゃらないのですが、反面為替リスクには大きな抵抗を感じる、というケースもあるようです。
これまで投資を始められない方は「リスク」の大きさに抵抗があるのだろう、と思っていましたが、実はリスクの大きさを意識されているわけではなく、片側ではさらりと大きなリスクをとりつつも、馴染みのないリスクには抵抗が大きいということもよくわかりました。
ポートフォリオ運用をすれば分散効果で全体のリスクは低減するものですが、それを知っていてもなお、「わかりにくい」ものを敬遠されているということでしょう。

安定性のある運用を求める上では一つの商品に偏ることは避けた方がよいことは間違いないのですが、この「よくわからない」ものを敬遠するということは投資をする上で実は大変重要なことでもあります。

投資サギに引っかかってしまう人はその典型で、「よくわからない」けれど、おいしい話に乗ってしまったケースが多いですよね。金融商品を購入して大失敗した、という人のお話も多くは「よくわからない」けれど儲かりそうだから、人に勧められたから買ってみた、ということが多いです。

今回のモニターに参加された方は、株式投資の経験がある、つまりリスクをとることをよく知っているからこそ、「わからないもの」については自然と避けていらしたということです。「わからない」ことをわからないと認識し、一から学ぶということは大変ではありますが、そういう気持ちをもち、実行に移している方はきっとバランスのとれた個人投資家になられると思います。

「知っているつもり」にならずに、「わからない」ことを学びながらバランスよく投資していくことは、遠回りなようで、実は「投資の成功」への最短コースなのではないでしょうか。

廣澤 知子
株式会社マネックス・ユニバーシティ 取締役副社長
http://www.monexuniv.co.jp/

「廣澤知子のやさしいマネー講座」バックナンバー一覧はこちら
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/archives/cat_37.html

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