【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,823.45 ▼210.22 (6/17)
NASDAQ: 14,161.35 △121.67 (6/17)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。景気敏感株に売りが出てダウ平均とS&P500株価指数は続落となりましたが、長期金利の低下を受けてハイテク株が買われたことでナスダック総合株価指数は反発しました。19ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に58ドル高まで上昇する場面もありましたが、伸び悩むと下落に転じ下げ幅を広げ昼過ぎには407ドル安まで下落しました。その後持ち直したダウ平均ですが上値は重く結局210ドル安の33,823ドルで取引を終え4日続落となっています。また、S&P500株価指数も1ポイント安の4,221ポイントと3日続落となっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は121ポイント高の14,161ポイントと3日ぶりに反発しています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3万7000件増の41万2000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。6月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数も30.7と前月から低下し市場予想を下回っています。また、5月の米景気先行指標総合指数は前月比1.3%上昇し市場予想と一致しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術やヘルスケア、一般消費財・サービスなどの7業種が上げ、情報技術は1%以上上昇しました。一方で4業種が下げ、エネルギーが3%を超える下落となったほか、金融も3%近く下げました。また、素材も2%以上下げ、資本財・サービスも1%を上回る下落となっています。
4.個別銘柄動向
長期金利が低下する一方で2年債利回りが上昇したことで利ざや縮小が懸念され銀行株が売られ、ウェルズ・ファーゴ(WFC)が6%余り下げ、バンク・オブ・アメリカ(BAC)も4%を超える下落となりました。シティグループ(C)も3%を上回る下げとなり、JPモルガン・チェース(JPM)も3%近く下げています。さらにゴールドマン・サックス(GS)も2%以上下落しています。一方で半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)がデータセンター市場でのシェア拡大期待から5%を上回る上昇となったほか、画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)も目標株価の引き上げを受けて5%近く上げ上場来高値を更新しました。また、住宅建設のレナー(LEN)も決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで3%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.07%低い1.50%となりました。ドル円は110円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でナスダック総合株価指数が反発となったことから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が75日移動平均線(昨日時点で29,105円)を引けで上回ることができるかがポイントとなりそうです。また、金融政策に変更はないとみられますが、本日は昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)