一昨日、日本証券業協会(日証協)の最上位の会議体である証券戦略会議に、委員として最後の出席をしました。私は日証協の委員歴は長くて、のちに日証協と合併することになった公社債引受協会の運営委員会委員を、山一の五月女さん、大和の牧野さん、野村の荻野さんなどの当時の証券界の有名人と共に務めた1995年6月以来(この時はマネックスの松本ではなくゴールドマンの松本でした)、実に26年間、そうです四半世紀以上、理事を含めて上位会議体の委員をずっと務めてきました。
一昨日の会議の終わりに、今日で委員を終了される方々、と紹介されて初めて委員を降りることを意識したのですが、或る意味そのくらい日証協の委員は私にとっては当り前の日々の生活の一部でした。26年も務めた人は他にいないのではないかと思います。今後は、マネックス証券社長である清明がこれらの委員を務めて、当社や個人投資家の視点からの意見や提案を日証協の中でしていくことになります。今後も証券界と行政(金融庁など)の間で意見交換のために開かれる会議には、私が清明の代理として出席することになっています。
26年間、証券会社経営者として、投資家自身として、個人投資家の皆さまの代弁者として、何よりも資本市場オタクとして、常に強く発言し、時に怒り、資本市場の改善に努めてきました。随分良くなったけど、まだまだのところもあります。機関投資家と個人投資家の扱いの差をなくすことに、大きなエネルギーを掛けて取り組んで来ましたが、それはかなり改善したと思います。選択的情報提供の禁止を含み情報格差をなくすこと、注文執行速度の差をなくすこと、その他モロモロ。
業界も政府も、延いてはマスコミも、個人投資家を機関投資家に比して低く見る傾向がありましたが、それは何回も何回も、双方をよく熟知している私として、強く考え方の修正を求める働き掛けをして、ある程度は直ってきました。しかし未だにこの偏見はあり、それは今後も強く是正に取り組んでいきたいと思います。日本の資本市場が一番遅れているところは、「自己責任原則」の徹底がなされていないところだと思います。これは中々深いテーマなので、いつか詳しく書きたいと思うのですが、とにかく真の意味で強い直接金融市場=資本市場を造り、運営することが、我が国の国益に資すると信じますので、これからもその実現に向けて、今まで以上に強く取り組んでいきたいと思います。
ま、結局、日証協の委員を辞めても何も変わらないのですが、26年務めて辞めたことは、書いておくべきだと思います!と周囲からも云われたので、書き留めました。では!