東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて3日ぶりに反落となりました。日経平均は135円安の29,306円で寄り付くと9時40分過ぎに7円安の29,434円まで持ち直しましたが、戻し切れないと再び下げ幅を広げ94円安の29,347円で前場を終えました。137円安の29,303円でスタートした後場の日経平均は13時20分過ぎに107円安の29,334円までやや下げ幅を縮めましたが、13時50分前に177円安の29,263円まで下落すると結局150円安の29,291円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落した一方で、日経ジャスダック平均は上昇となり昨日に続いて年初来高値を更新しています。

2.個別銘柄等

昨日に株価が初めて1万円の大台に乗せたトヨタ(7203)は本日も買いが優勢で一時2.5%高の10,330円まで上昇し昨日に続いて上場来高値を更新しました。また、ガラス大手のAGC(5201)も3.6%高となりました。北米の建築用ガラス事業を米ガラス加工大手のカーディナルに売却すると発表したことで構造改革の進展への期待が高まりました。AGCが出資するノベルクリスタルテクノロジーが次世代半導体材料の量産に世界で初めて成功したと発表したことも買い材料になったとみられ、同じくノベルクリスタルテクノロジーに出資する電子部品製造のタムラ製作所(6768)は16.6%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しています。

さらに高島屋(8233)が5月の既存店売上高が前年同月比で48.6%増と高い伸びとなったことで一時3.6%高となったほか、資源開発大手のINPEX(1605)もWTIの原油先物価格が一時2018年10月以来の高値を付けたことで3.7%高となりました。THK(6481)も国内大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたことを受けて6.1%高となっています。一方で国内大手証券が投資判断と目標株価を引き下げたことでジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)が3.2%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は米国株安を受けて150円安となりました。指数寄与度の大きいファーストリテイリング(9983)が2.7%安となり年初来安値を更新したこともあって三桁の下げとなりましたが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えていることもあり様子見ムードが強く積極的な売りは限定的でTOPIXは小幅に上昇となっています。そのFOMCの結果は日本時間の17日午前3時に発表されますが、政策金利の見通しなどに加えて、今回の会合で量的緩和の縮小(テーパリング)の議論が開始されるかどうかが焦点となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)