東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は続伸となりました。日経平均は94円高の29,256円で寄り付いた直後に73円高の29,235円まで上げ幅を縮めましたが、直ぐに切り返すと上げ幅を広げ10時10分過ぎに288円高の29,450円まで上昇し214円高の29,375円で前場を終えました。227円高の29,389円でスタートした後場の日経平均は大引け間際に319円高の29,480円まで上昇すると結局279円高の29,441円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、日経ジャスダック平均が年初来高値を更新しています。
2.個別銘柄等
110円台前半まで円安が進んだこともあってトヨタ(7203)が一時1.9%高の10,090円まで上昇し初めて1万円の大台に乗せ上場来高値を更新しました。また、昨日の米国市場で主要な半導体銘柄で構成する米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅高となったことから半導体関連株が堅調で、なかでもSUMCO(3436)が一時4.4%高となったほか、レーザーテック(6920)も一時3.5%高となりました。空調工事最大手の高砂熱学工業(1969)も一時3.9%高となりました。二酸化塩素ガスが物質の表面に付着した新型コロナウイルスを99.9%減少させることを確認し、実用化に向けて技術提携をする企業の募集も始めると発表したことが材料視されました。さらに投資判断と目標株価の引き上げに大きく反応したのがハウス食品グループ本社(2810)やくら寿司(2695)、ミスミグループ本社(9962)で、ハウス食品グループ本社が3.4%高、くら寿司が7.2%高、ミスミグループ本社が3.5%高となり、くら寿司とミスミグループ本社は年初来高値を更新しています。
一方でパーク24(4666)が11.9%安となりました。新型コロナウイルス感染拡大防止で人の移動が制限された影響で駐車場やレンタカー、カーシェアリングサービスの利用が落ち込んでいることから通期の営業損益の見通しを135億円の黒字から35億円の赤字に下方修正したうえ、年間配当も無配とし株主優待制度も中止すると発表したことで売りがかさみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は279円高となりました。ハイテク株の一角に買いが入り昨日の米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。上げ幅を広げ一目均衡表の雲の上限(29,396円)を上回ったうえに、三角保ち合いを上に放れてきたことから先高期待が高まりそうですが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えて様子見となりやすいなかで明日もさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の21時30分には5月の米小売売上高や6月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の米卸売物価指数(PPI)が発表されるほか、22時15分には5月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表される予定です。また、明日は日本時間の11時に中国で5月の鉱工業生産や小売売上高など多くの経済指標が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)