日経平均とTOPIXの動き
日経平均は6月14日に5日ぶりに終値ベースで29,000円台に乗せています。その前の週では、6月7日に29,000円台に乗せた後は週末に向けて29,000円以下での推移を強いられました。
今後は6月15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、同じパターンの可能性も高いと見ています。ただ、5月28日の戻り高値を更新してきたことはポジティブな現象です。
一方、TOPIX(東証株価指数)は日経平均とは違って、例えば一目均衡表でいうところの抵抗帯である「雲」の上を推移していて、「三役好転」という強気局面にあります。「雲」の下を推移している日経平均とは現状の投資判断が異なるわけですが、近いうちにどちらかに寄せていく展開が予想されます。もちろん、TOPIXが下げて寄せるより、日経平均が上げて寄せる方が歓迎されるはずですが。
ファーストリテイリングの変化は日経平均にどう寄与するか
週初に少し変わったと感じた点は、日経平均に寄与度が大きいファーストリテイリング(以下、ファストリ)が久しぶりに採用銘柄の中で値上がり寄与トップとなったことです。これは5月28日ぶりのことであり、5月28日は5月13日安値からのリバウンド相場が一旦止まった日でもあります。
最近まで、日経平均を下げる方に強く寄与していたのは値がさ株ではファストリとソフトバンクグループだったのですが、調整が比較的長く続いたこの2銘柄が値上がり寄与上位に表れるようになってくると、日経平均の上値に好影響を及ぼす可能性があります。
しかし、この2銘柄がこれまで下げていたからといって、日経平均が弱かったかというわけではありません。過去、両銘柄が下げているときでも日経平均は横ばい、両銘柄が上げているときでも日経平均が上がらない、またファストリが下げているときはソフトバンクが上げてカバーしているなど、この2銘柄だけではなく各採用銘柄間での差し引きで調整し合ってきました。
そのため、今回も両銘柄が下げ止まって反発基調に転じたとしても、今まで上昇で寄与していた銘柄が下落することも考えられるので、日経平均がTOPIXを早々に追い上げていくと考えるのも時期尚早の話となります。
もちろん、採用銘柄がそろって上昇するような、FOMCの結果を好感する外部環境の変化や、ナスダックの史上最高値更新といった材料などがあれば話は別になります。
6月14日以降の週前半は先週末のメジャーSQが通過した直後のタイミングです。指数寄与度の最も高いファストリの相対的な変化は、何かが変わる兆候のような気がしてなりません。