東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて反発しました。204円高の29,153円で寄り付いた日経平均は直後に259円高の29,208円まで上昇した後10時50分に77円高の29,026円まで上げ幅を縮めましたが、節目の29,000円を割り込むことなく底堅さをみせると持ち直し160円高の29,109円で前場を終えました。169円高の29,118円でスタートした後場の日経平均は大引け間際に222円高の29,170円まで上昇すると結局213円高の29,161円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

三井ハイテック(6966)が16.3%上昇しストップ高となりました。第1四半期の決算を発表し情報通信機器や自動車向け半導体に使われる材料のリードフレームや電気自動車向け駆動・発電用モーターコアの受注が好調なことから2022年1月期の営業利益の見通しを47億円から80億円に引き上げたことで買いを集めました。業務用スーパーを展開する神戸物産(3038)も12.1%高と急伸しました。上期決算を発表し業務スーパーの出店が期初計画を大幅に上回る見込みになったことに加えて、プライベートブランド(PB)商品の出荷比率の向上や物流関連の効率化などもあり2021年10月期の営業利益の見通しを248億円から294億円に上方修正したことが好感されました。

一方で美容家電のヤーマン(6630)が5.9%安となりました。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて自宅でエステをする人が増え脱毛器などが売れたことで2021年4月の営業利益は前期比で2.4倍と急拡大しましたが、2022年4月期の営業利益がブランドを強化するため広告宣伝費を積み増すことなどから前期比で4.6%増に止まることが嫌気されました。スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)も4.7%安となりました。世界最大級のゲーム見本市のE3で人気シリーズのファイナルファンタジー16などに関して目立った発表がなかったことが失望され売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は213円高となりました。先週の米国市場が上昇しS&P500株価指数が史上最高値を更新したことで買いが優勢となりました。節目の29,000円を回復し一日を通して堅調に推移すると100日移動平均線(29,101円)や75日移動平均線(29,120円)も上回りました。しかし、最近は29,000円を超えてくると伸び悩む傾向がみられ29,000円を超えたところでの上値の重さが意識される展開が目立ちます。したがってこうしたなかで29,000円で下値を固めここからさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)